VW「8代目ゴルフ」実際に乗ってわかった実力 2020年末以降に日本投入、何が進化したのか
1974年のデビュー以来、45年間で累計3500万台以上を販売し、FFハッチバックのお手本として君臨するVW(フォルクスワーゲン)の「ゴルフ」がフルモデルチェンジして第8世代となった。12月にドイツで、そのほかの欧州市場では2020年1~3月に発売される。
骨格となるプラットフォームを現行型ゴルフから流用しつつも、ガソリンエンジンのマイルドハイブリッド化などによってパワートレーンの効率を高め、空力性能も大幅に向上させて燃費向上を図った。
また、運転席まわりの操作をタッチパネル中心とし、「ハロー フォルクスワーゲン」と呼びかけることで起動する流行の音声入力アシスタントを備えるなど、デジタライゼーションが進んだ。日本導入は1年後の2020年末以降の予定。熟成度を増した現行型を買うべきか、新型を待つべきか、という観点をもってポルトガルで開かれた国際試乗会に参加した。
“居心地のよさ”を進化させた
新型はほかのVW車同様、折り目正しいプロポーションをまとって登場した。ひらがなの「く」のようなCピラーまわりのデザインは初代から続くゴルフの伝統であり、今回も守られた。チーフデザイナーのクラウス・ビショフが「数百万もの人々にとっての“居心地のよさ”を進化させた」と語るように、欧州を中心に世界中で売られ、街の風景の一部となりうるゴルフは、突拍子もないデザインを採用して悪目立ちすることは許されないし、その必要もない。
ただし目新しさは求められるため、新型では複雑な形状となったLEDヘッドランプ&テールランプをはじめ、サメのエラのような段付きデザインのフロントパンパーを採用するなど、凝った部分も見られる。
サイズは、全長4284mm、全幅1789mm、全高1456mm、ホイールベース2636mmと、現行型に対しわずかに(+26mm)長くなり、大幅に(-36mm)低くなった。それ以外はほぼ変わらない。全高が36mmも低められたのは、一にも二にも空力性能を向上させて燃費を稼ぐためだ。
これによって前面投影面積が小さくなったほか、Cd値も0.3から0.275へと大幅に向上した。それによって室内が狭くなったかというとそんなことはなく、前後ともに頭上空間には余裕がある。荷室容量は数値上ではわずかに狭くなったが、見た感じはほぼ変わらない。
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