トヨタ「グランエース」は誰のためのクルマか アル/ヴェルよりデカい「巨大ワゴン」の狙い
2019年12月16日にトヨタから登場した新型車が注目されている。「グランエース」である。名前の由来はスペイン語で「大きな/偉大な」を意味する「GRAN」と、英語で「第一人者・優れた者」を意味する「ACE」を組み合わせた造語だ。
車体は全長5300mm×全幅1970mm×全高1990mmと、国産最大級のラージサイズ。これまで国産ミニバンとして最も豪華で大きかったトヨタ「アルファード/ヴェルファイア(以下:アル/ヴェル)」が全長4950mm×全幅1850mm×全高1935mmだから、それと比較しても全長で350mm、全幅で120mmも増している。それだけでも、グランエースの巨大さがイメージできるだろう。
大きなボディーは広い室内空間を実現し、3290mmという室内長は、軽自動車の全長に迫るほどの数値。とにかく広いのである。なおトヨタは、このグランエースを「ミニバン」ではなく「ワゴン」と説明する。
4列シートと3列シートの2タイプ
注目は、その広いキャビンを活かしたパッケージングだ。グランエースのグレードは、ベーシックな「G」と上級仕様の「プレミアム」があり、前者はなんと4列シートの8人乗り。乗員レイアウトは前から「2-2-2-2」で、どんな国産ミニバンよりも広い室内幅を持ちながらも、決して3人を横並びに座らせないぜいたくな空間作りだ。
シートはアル/ヴェルの上級グレードと同様の「エグゼクティブパワーシート」を2列目に採用。左右独立したセパレート式で、オットマンや電動リクライニング機能を組み込み、大きな肘掛も備わっていて、見るからに立派な作りである。飛行機に例えれば、国内線の“ファーストクラス”といったところだ。
Gの3列目は、アル/ヴェルの中級グレードの2列目に組み込まれる「リラックスキャプテンシート」で、こちらはちょっと上級なJAL国内線“クラスJ”といった様相。4列目は左右がつながったベンチシートとなる。
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