トヨタ「グランエース」は誰のためのクルマか アル/ヴェルよりデカい「巨大ワゴン」の狙い
上級仕様のプレミアムは「2-2-2」の6人乗り。ボディーサイズはどちらも共通だから、こちらはシートが1列少ない分だけ、各席の足元がゆったりしている。さらに「G」とは異なり、2列目だけでなく3列目にもエグゼクティブパワーシートを設置。3列目も2列目と同じ快適性を得ているのがポイントだ。
2列目がファーストクラスで3列目はクラスJ、そして4列目は通常のエコノミークラスといえるGに対し、プレミアムは後席すべてがファーストクラスと考えれば、いかにぜいたくな作りか理解できるだろう。
まるで小型ビジネスジェットの感覚であり、こういったシートアレンジかつここまでぜいたくなシートを組み込んだ量産ワゴンは、これまで日本車でも輸入車でも存在しなかった。グランエースは新しい世界を切り開いたといえる。
価格は、620万円から650万円。750万円を超えるアル/ヴェルの最上級モデルと比べると安いが、アル/ヴェルで2列目がエグゼクティブパワーシートとなる最も安い「S“Cパッケージ”/ Z“Gエディション”」が、466万4000円からと考えれば高額だ。
スーツケース「4個積載」の意味
グランエースとアル/ヴェルとを比べてみると、サイズがひとまわり大きいのに加え、Gではシートが1列増えている、プレミアムでは2列目だけでなく3列目にも豪華なシートを備えていることが大きな違いだが、それによりグランエースは、「たくさんの人がゆったり乗る」「3列目まで豪華なシートでゆったり」というアル/ヴェルではまねできない乗員へのおもてなしを実現している。
また、3列目まで使っても広い荷室が確保できることも、アル/ヴェルにはないポイントだ。
「6人乗りは、ゆとりある後席スペースを確保しながら、約90L(縦750mm×横510mm×幅310mm)のスーツケースを立てたまま4個まで積載が可能」とトヨタは説明する。90Lのスーツケースといえば、特大サイズだ。4個という数は、後席に座る乗客の人数分の荷物を想定しているためだ。
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