福岡のヒーロー番組「ドゲンジャーズ」成功の裏側 「企業ヒーロー」設定でビジネス面でも注目の的に

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その象徴となるのが、番組内で流れるテレビCMだ。既に始まった新シーズン「ドゲンジャーズ~ハイスクール~」では、9社とのタイアップCMを作成。CMに切り替わっても、劇中に出演するヒーローが本編から引き続き登場し続けるという仕掛けが仕込まれている。

エムマーケットエージェンシーの下青木秀輝社長。今年社長に就任した (筆者撮影)

CM作品は、「ドゲンジャーズ」の世界観に合わせたコラボ企画を営業サイドから打ち出している。その際に決まった型はなく、それぞれの企業のスタイルに合わせてカスタマイズする「提案型」を主としている。

「これまでキャラクターを使ったPRは多数あったが、そことどう差別化するか。これは営業のアイデア次第、企画次第となる。だから我々には『ドゲンジャーズとは何か』といった基本的な情報以外のタイアップ資料がない。むしろ『資料を一緒に作るために今日は来ました』ということもしばしばある。これは手間暇かかって大変だが、そういう部分が企業と作品の一体感につながってくる」(下青木社長)

シーズン3はYouTubeで同時配信

今年の4月10日からはじまった第3シーズンでは、女子高生を主人公にした学園ドラマにシフトチェンジしている。物語としても新たな展開を見せているが、今回はテレビ放送と同時刻にYouTubeでも同時配信されている。

悪の秘密結社の笹井浩生社長。劇中のシャベリーマンとしても活躍。悪の秘密結社は2016年設立の株式会社で、“悪役専門”として自社キャラクターを起用したヒーローショーなどを展開 (筆者撮影)

「通常は視聴率の食い合いになるので、地上波とWEBの同時配信は慣例上絶対NGなのですが、KBCさんの全面協力があり、実施することができた。今はタッチポイントを増やしていかないといけない時代。視聴者が選ぶチャンネルが増えている今、この手法がスタンダードになるのも近いのではないか」(笹井氏)

今後の展望として「ドゲンジャーズは今年で3作目、継続することで“作品の信用”を勝ち得、ゆくゆくは日本の文化の1つにしていきたい」と意気込む笹井氏。九州発のヒーローが今後、どのような展開を見せるのか、注目したい。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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