月9で「戦隊モノ」のようなドラマが量産される訳

時代は恋愛よりもヒーロー群像劇を求めている

昨今「戦隊シリーズ」や「アベンジャーズ」を想起させるようなドラマばかり作られる理由とは?(写真:ドラマ『イチケイノカラス』公式サイトより)

4月クールの連続ドラマが次々に最終回を迎えている。ラブコメディの多かった2021年の春ドラマだが、終わってみれば視聴率がよかったのは恋愛ドラマにあらず。

日曜劇場『ドラゴン桜』(TBS系)と月9『イチケイのカラス』(フジテレビ系)が、テレビ朝日系のシリーズものを除く中では1、2トップとなった。特に『イチケイのカラス』は、続編の『ドラゴン桜』とは違って周知度の低い完全新作にして世帯視聴率2桁をキープという大健闘を見せた。

「月9=恋愛ドラマ」の時代は終わった

月9枠が恋愛ドラマを放送しなくなって約5年。現在は主に、木村拓哉が東京地検の検事を演じた『HERO』や山下智久が救命センターの医師を演じた『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』で切り開いた特殊なお仕事ものが続いている。

ひとつ前に半年間放送された『監察医 朝顔』もホームドラマの要素はありつつ、その流れに属しており、医師や検事、弁護士、警察官といった職業的意識の高い主人公たちが困難な状況で戦っていくというスタイルを確立した。もはや愛だ恋だなんて言っていられない。月9の主人公になるにも国家資格が必要な時代に!?

『イチケイのカラス』は、多くの視聴者が指摘したとおり『HERO』のフォーマットを使った法廷ものだった。主人公の裁判官(判事)・入間みちお(竹野内豊)はエリートではなく中卒で司法試験に合格したという学歴が『HERO』の久利生(木村拓哉)と同じ。入間がふるさと納税に凝っているのも久利生の通販番組好きを連想させ、その彼に優等生タイプの女性(『イチケイのカラス』では黒木華、『HERO』では松たか子の役)が付いて、主人公に反発しながらも影響を受けていく。

わざわざ原作漫画の設定を変更してまで同じ構造にしているので、「『HERO』の大ヒットよ再び」という狙いは確実にあったのだろう。大ヒットとまではいかなかったものの、そのアレンジは成功したと言える。

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