福岡のヒーロー番組「ドゲンジャーズ」成功の裏側 「企業ヒーロー」設定でビジネス面でも注目の的に
テレビシリーズを展開するにあたり、本作の生みの親である映像制作会社・悪の秘密結社の笹井浩生社長が中心となり、アクションチームや演出チームなど、特撮を手がけた一流のスタッフを招聘した。
制作費はローカル番組の枠を超えた金額となったが、2020年4月クールの第1シーズンは、放送後、Twitterのトレンドに毎週のように「ドゲンジャーズ」がランクイン。最終話ではその番組名が全国のトレンド1位となるなど、大きな話題を集めた。
2021年4月からは第2シーズン「ドゲンジャーズ~ナイスバディ~」が放映開始。放送エリアも熊本朝日放送(KAB)、鹿児島放送(KKB)、TOKYO MXに広がった。さらにAmazon Prime VideoやHuluなど13社の動画配信サービスとの配信契約が行われ、視聴可能範囲を広げた。結果、地元九州のファンや子どもたちのみならず、女性層、目の肥えた特撮ファンなど幅広い層に訴求した。
プロダクトプレイスメントを展開する
劇中に登場したスーツの補修や、スピンオフ作品の制作資金を補填するためにクラウドファンディングを2年連続で実施。総額7400万円の支持が集まったが、その75%が女性層で占められるなど、ビジネス業界の新たなコンテンツモデルとして、経済的側面でも注目を集めた。
同シリーズのもうひとつの特色は、「プロダクトプレイスメント」を取り入れているところだ。これは、劇中に登場する小道具、背景、ヒーローなどのスポンサーシップを募り、物語に組み込むというアメリカで普及しているビジネスモデルだ。戦隊ヒーローものは、キャラクターのおもちゃやグッズの販売で「ビジネス」を成立させているが、まさに新しい試みといえる。
タイアップの種類も多種多様だ。例えば西日本シティ銀行が、マイカーローンでタイアップ。第2シーズン冒頭で、ヒーローチームの一員であるキタキュウマンの愛車が爆破されるというシーンがあったが、それを踏まえてキタキュウマンが「わたしでも借りられたマイカーローン」というキャッチコピーで、放送直後にイメージキャラクターとなった。
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