40代管理職がデジタル化に後ろ向きな3つの理由 仕事を変えたくないし評価されないし、縁遠い
特に中間管理職は、自分の評価の比重よりも管理している部署の成果を見られることになりますから、DXの準備を始めたことで担当部署の成果が下がった、などということは絶対に避けたいのでしょう。これが2つ目の理由といえます。
だからと言って、働き方改革によって残業時間が制限され部下にも残業時間の削減を呼びかけていくことを必要とされる昨今、自分が働く時間を増やしてまで評価につながらない業務を行いたがる人が少なくなるのは仕方のないことです。
中間管理職が積極的にDXに関わるために必要な評価方法として考えられるのは「デジタル化でビジネス環境が一変する将来への備え」という評価項目ではないでしょうか。結果主義からプロセス主義にすべてを変えるとなると、大きな評価軸の変更をしなくてはなりませんが、現状が成果軸で評価制度を整えていたとしても、その項目に「将来への備え」を追加することで、DXへの準備を促すことは可能です。
デジタルの知識をアップデートしていない
3つ目の理由としてあげられるのが、デジタルに縁遠いということです。40代以上の管理職にかぎって言えば、デジタルに関する職種が少ない時代に社会人としてデビューしているので、デジタルが縁遠いものになっていることがあげられるでしょう。
2000年ごろのITバブルは経験している人が多いものの、当時のIT市場は9397億円ほどで、2022年の推計5兆8713億円と比べると5分の1以下でした。IT投資総額でみると13兆円市場ともなる現在とは、比較にならない規模の小ささです。キャリアのスタートと同時にIT業界は成長しているものの、デジタルそのものに直接関与する機会はそう多くなく、ほとんどの人が業務で触れた程度のデジタル知識になっていることが考えられます。
特に近年はAIやIoT、ブロックチェーンなどで、IT技術がそれ以外の業務にも浸透しているため、技術情報を学ぶだけでも容易ではない状況となっています。一昔前までは「おじさんはITリテラシーが低い」と自虐的に語られることがありましたが、今はIT技術自体が進化し、普段の業務を効率化できるようなことが多くなったため、ITリテラシーが低いことは言い訳にしかなりません。
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