「自分のやりたいこと」は他人に聞くのが早いワケ 「ライフ・シフト2」座談会イベントレポート

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だから新入社員に対しても、フラットに「横石さん」とコミュニケーションをとることは、将来の選択肢を狭めない1つの方法だろうと思います。自分の機会を潰さない行動を心がける。リンダさんも「選択肢」という言葉を使われていますね。

選択肢は歩いてこそ

横石:選択肢は面白い話ですね。多くの人が「選択肢が大事」と言いますよね。でも、僕の経験では、なにもしなければ選択肢は現れないんです。お金があっても、時間があるだけでも現れません。

でも、歩けば分岐点が必ず出てきますよね。ですから、歩いているかどうかが、選択肢を持てる最低条件だと思います。「選択肢を持つ」という言葉そのものは、実はなにも言っていなくて、「歩きなさい」という話なのだと思います

三石:僕もそれが大事だと思っています。ワークショップでも、目標を立てるだけだと「未来のことを考えたぞ!」と気持ちよくなって満足してしまうんです。ですから、「今すぐ行動を変えられることはなんですか?」と問いかけ、それを言語化して実行してもらいます。

みなさん、年始に「今年の抱負」などを宣言しますが、僕はあれ、タイミング的にいちばん最悪だと思っているんです。怠けたり、言い訳ができる要素が多くて、行動に移さないですよね。あれではせっかく立てた1年の目標も3日で忘れてしまいます。

それなら、今日、1つでも変えられることのほうが大事です。例えば、「ずっと迷っていたけど、今日は本を1冊買って帰ろう」というだけでも行動と意識を変える一歩です。

横石:人生100年時代は不安なことも多いわけですが、だからこそ好奇心が湧いてきます。

はたして僕たちの老後はどうなっているだろう。長く働けるだろうか。楽しく自由に働けているだろうか。今日のようにみんなで考える場をつくることができれば、もっと希望や選択肢が生まれてくるのではないでしょうか。

三石 原士 「タニモク」開発者

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みついし もとし / Motoshi Mitsuishi

大学卒業後、渡独。設計事務所にてキャリアをスタート。帰国後、大手人材情報サービス会社を経て転職サービス「doda」の立ち上げメンバーとしてパーソルキャリア( 株 )に入社。2011年より、マーケティング部門にてコンテンツ企画を担当。2017年、3~4人1組でお互いに目標をたてあうワークショップ「タニモク」を開発。「自分以外の視点を取り入れることで、新しい可能性や選択肢を発見できる」という特徴が評価され、企業・官公庁・学校など、多くの組織で開催されている。

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横石 崇 &Co. 代表取締役/Tokyo Work Design Weekオーガナイザー

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よこいし たかし / Takashi Yokoishi

多摩美術大学卒。2016年に&Co.を設立。ブランド開発や組織開発、社会変革を手がけるプロジェクトプロデューサー。アジア最大規模の働き方の祭典「Tokyo Work Design Week」では3万人の動員に成功。鎌倉のコレクティブオフィス「北条SANCI」や渋谷区発の起業家育成機関「渋谷スタートアップ大学(SSU)」、シェア型本屋「渋谷◯◯書店」などをプロデュース。法政大学兼任講師。著書に『これからの僕らの働き方』(早川書房)、『自己紹介2.0』(KADOKAWA)がある。

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