このお断りの理由から、お互いの思いが完全にすれ違っていたことを感じた。この断り理由をしんじに伝えるべきかどうか悩んだが、これも婚活における真実なので、忖度せずにコピペして送った。すると、こんな返信が来た。
『文面をそのまま解釈すると、どうも僕がセクハラまがいのことをしたうえで、とんでもない面食いで、遊び目的で活動をしていたような印象を受けますね。もっともそうでないことを証明するのは“悪魔の証明”で不可能ですので、弁明する術がありません。いずれにせよ、もう終わったことなのでどうでもいいです。
今回学んだのは、見えない相手の気持ちを読むのは、とても難しいということ。今後の糧にしたいと思います』
しんじの気持ちは理解できたし、真剣に向き合っていた相手にこんなことを言われたら心外だろう。
手をぐなぐことを不快に思う女性も
婚活で男女が仲を深めていくときに、「それは違うでしょう」と言った拍子に肩をポンと叩いたり、「ねぇねぇ、これってどう思う?」と肩を近づけたり、散歩しながら手をつないだりするのは、2人の距離を縮めていくうえでの初歩的な大切な行為だ。ただそれを「セクハラまがいのことをした」と、不快に感じる女性もいるだろう。
「その服、似合ってるね」と男性がほめたときに、「中身を見ないで、外見ばかり見ている」と捉える女性もいるだろう。LINEに関していえば、送る頻度や長さは人それぞれ。「相手から来る長いLINEが嫌だ」と思った時点で、もうその2人は相性が合わない。
感じ方、捉え方は、相手をどのくらい好きになっているかでも変わってくる。ただ恋愛は、相手の気持ちを目視したり数値化したりできるものではないので、相手の言動から推測していくしかない。そこが難しいのだ。
しんじは、そこからも絶え間なくお見合いを続けていたのだが、年末にこんな連絡が来た。
『今申し込んでいる3件のお見合いが成立しなければ、これで婚活を終了。退会の手続きをお願いできればと思います』
前向きに頑張っているのに、結果が出せない。明らかに婚活疲れを起こしているのがわかった。そこで、私はこんな返信を彼にした。
『婚活は、入学試験や資格試験のように日程が決まっていて、そこに照準を合わせて努力をすれば結果が出るものではありません。うまくいかなければ、ゴールの見えないブラックボックスのなかをさまよっているような感覚になります。お会いする人に毎回ベストを尽くして向き合っているのに、思うような結果が出ないと婚活疲れを起こしますよね』
さらに婚活疲れの解消法について、こうアドバイスした。
『婚活においては毎回毎回、ていねいに相手と向き合い、ベストを尽くすことが大事です。ただ、それが成果に繋がらなかったときには、原因を深掘りしない。お相手にどんなに失礼なことを言われてもやられても、それはその人の考え方であり、今後自分にはご縁のない方なのだから、気にせずに流せばいいんです』
これに対して、しんじはこんなことを言った。
「僕の年齢、僕の条件で、これだけ婚活をして結婚ができないのは、何か僕自身に問題があるのだと思います。あと、婚活って、デートをする店を決めたり、どこに行くかをアレンジしたり、時間もお金も男が背負う部分が大きい。こちらが楽しんでもらおうとあれこれ計画していたのに、平気でドタキャンしてきたり、会ってもつまらなそうにされていたりすると、どっと疲弊しますよ」
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