「打率は1%」苦戦する年収900万の30代男性の婚活 真剣交際まで進んだ唯一の女性とゴールイン

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これは婚活をしている多くの男性たちが思っていることだろう。男女平等の社会とはいえ、デートを割り勘にすれば、“ケチな男”の烙印を押され、ファミレスやチェーン店系の居酒屋に連れて行けば、“気の利かない男”と言われる。時代は少しずつ変わってきてはいるが、明らかに婚活では、男性のほうが負担は大きいだろう。

退会を申し出た矢先、1件のお見合いが受諾された。そして、それが今回成婚となった、かなだった。

かなとお見合いが決まったしんじは…

しんじは、かなとのお見合いが決まったときにこんなことを言っていた。

「5つ年上の女性とお見合いするのは初めてですけど、プロフィール部分もていねいに書かれていたし、申し込んだ後にすぐに受諾が来たので、僕も気持ちを仕切り直してお会いしてこようと思っています」

かなは婚活を始めたばかりで、しんじが初めてのお見合い相手だったという。

「とても緊張していたみたいで、コーヒーカップを持ち上げて飲むときに、ガタガタ震えていたんです。逆にそれが新鮮でした(笑)」

そして交際に進み、2、3度とデートを重ねて、こんな報告を入れてきた。

「すごく波長が合うし、一緒にいると自然体でいられるんです。お店に行って、“何にしようか”とメニューを見ているときに、『これ食べたいね』というものが同じなんですよ」

また、とても謙虚な女性であることにも、心を打たれたようだ。

「『食事をするお店が高級店だと緊張してしまうから、安い居酒屋さんでいいんです』と言われたときには、僕の金銭的負担を考えてくれているんだなと思いました。あと、『私も少しお支払いしますよ』と、気遣ってくれるのもうれしかった」

何回かデートを重ねた後、しんじの地元を案内することにした。一人暮らしのしんじが行きつけにしている、地元の人たちが集まる居酒屋に連れて行った。

「店に入ってカウンターに座って、『こんな店なんですけど、食べたいものを頼んでください』と言ったら、おかみさんが笑いながらも、『小汚い店で悪かったわね』と。『いやいや、何を食べてもおいしいんですよ』とフォロー入れたら、おかみさんも、『食べたいものなんでも言ってください』って。常連さんたちも、やいのやいのとみんなが話しかけてくれて、すごく楽しい時間が過ごせたんです」

こうした地元の人たちの温かい応援もあり、2人の仲は順調に育まれた。3月には、かなの実家にもあいさつに行った。

実家を訪れる際には、「家族のなかのボス的存在であるミニチュアダックスフントに気に入ってもらえず噛みつかれたら、このご縁が破断になるかもしれない」と冗談めいた口調で危惧していたが、お土産に持っていった犬用ジャーキーで、うまく心をつかんだようだ。もちろん家族の人たちからも笑顔で祝福、歓迎をされた。

そして、4月吉日の土曜日、都内の夜景が綺麗に見下ろせるレストランで、しんじはプロポーズをし、かながそれを受けた。

婚活がうまくいっていない人、婚活疲れを起こしている人たちに言いたい。婚活は出会うまでが大変なのだ。でも、出会ったらとんとん拍子に進む。『スラムダンク』の安西先生の名言にもあるではないか。「あきらめたらそこで試合終了だよ」。結婚したいなら、あきらめないで出会い続けてほしい……。

鎌田 れい 仲人・ライター

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かまた れい / Rei Kamata

雑誌や書籍のライター歴は30年。得意分野は、恋愛、婚活、芸能、ドキュメントなど。タレントの写真集や単行本の企画構成も。『週刊女性』では「人間ドキュメント」や婚活関連の記事を担当。「鎌田絵里」のペンネームで、恋愛少女小説(講談社X文庫)を書いていたことも。婚活パーティーで知り合った夫との結婚生活は19年。双子の女の子の母。自らのお見合い経験を生かして結婚相談所を主宰する仲人でもある。公式サイトはコチラ

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