アメリカ「マスク撤廃」で巻き起こっている大論争 「感染の恐怖」から旅行を取りやめる人も

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フロリダ州の連邦地裁は4月18日、マスクの着用義務は無効だと判断。航空会社各社も着用義務を取り消した(写真:Gabby Jones/The New York Times))

それは上空で始まった。連邦地裁判事が空の便でのマスク着用義務を取り消した直後、パイロットが機内放送でこのニュースを伝えると、一部の乗客は歓声を上げながらマスクを外した。

デルタ航空のパイロット、ジョナサン・ラッセル・ビールは18日夜、フロリダ州タンパからミネアポリスに向けて飛行しているときに、この発表を知らされた。「待ちに待った日だった」という。

波紋を広げる地裁判事の判断

一方、予防接種対象年齢に満たない幼児2人を連れてロサンゼルス行きの便に搭乗していたブルック・タンスレーは、周囲の乗客がマスクを外すのを見て恐怖を感じたと話した。「何も起こらないよう祈ることしかできなかった」。

新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ措置として、アメリカの飛行機や公共交通機関で厳格なマスク着用義務が課されるようになってから1年以上。連邦政府が過剰な規制を行ったとする地裁判事の判断は早くも全国に波紋を広げている。

フロリダ州の判事による今回の想定外の判決は、多くの人々の移動や旅行の形を瞬時に変え、新型コロナをめぐる政治対立を先鋭化させ、マスクを着用すべき場所に関する新たな混乱を引き起こしている。

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