自分らしいキャリアが見つかる「心の声」の聞き方 本当の「やりたいこと」を知った2人のプロ対談
自分が本当にやりたいことは何か。自分にしかわからないことのはずだが、意外にも、それが何かが自分でもわかっていないことが多い。一流のビジネスパーソンたちは、自分のやるべきこと、進むキャリアをどう見つけてきたのか。
電通から独立してサントリー「角ハイボール」ほかのプロジェクトを手がけ、『非クリエイターのためのクリエイティブ課題解決術』(東洋経済新報社)を上梓した齋藤太郎氏と、マッキンゼーなどの外資系企業から「ほぼ日」に転職し、ジョブレス期間を経てエール株式会社の取締役となり、『LISTEN――知性豊かで創造力がある人になれる』(日経BP)を監訳した篠田真貴子氏との対談から、そのヒントを探る。
齋藤:篠田さんは最初に銀行に就職したんでしたっけ?
篠田:そうです。早々に合わないと思って、仕切り直すためにアメリカに留学し、マッキンゼーなど外資系の大企業に在籍してきました。
その後も当然のように外資系の大企業でキャリアを歩んでいくと思っていましたが、「ちょっと違うかも」と感じ始めたのが30代後半でしたね。
齋藤:何が「違うかも」だったんですか?
「大企業での仕事に燃えない」と気づく
篠田:部下が増えようが、予算が増えようが、私は全然燃えなかったんです。それは私にとって大きな葛藤で。
当時はベンチャー企業に転職するのは一般的じゃなかったし、初めは大企業で働くことに違和感を持つ自分自身を疑っていたんですよ。
でもマッキンゼーの元同僚と食事をしたとき、彼がきょとんとした顔で「俺は部下が10人より50人、50人より100人がうれしいよ」と爽やかに言い放ったんです。彼はそこにまったく疑いがないんですよね。実際に、のちに彼はグローバルカンパニーの社長になったわけです。
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