自分らしいキャリアが見つかる「心の声」の聞き方 本当の「やりたいこと」を知った2人のプロ対談

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篠田:次の仕事を始めるまで1年間は期間をあける意思が固まっていたので、それをわかるようにしないとお互い不幸だなと思い、かといってプー太郎や無職はしゃくだから「ジョブレス」と言ってみたら面白がってもらえました。

齋藤:いろいろな企業から声がかかる中、焦らずにボールを見送れるのが篠田さんのすごいところだと思います。そういうお誘いって魅力的に聞こえるし、多くの人はその中から次の道を選ぶと思うんですよね。

でも、篠田さんはお見合いパーティーに行ったのに誰も選ばずに帰る、みたいなことができる。

篠田:「う〜ん、まだ選べないかな」ってね(笑)。

世の中の物差しも自分の物差しも大事

齋藤:人間って軸足がしっかりしていないときほど不安になるじゃないですか。お腹が空いているときは食欲が増して、なんでもおいしそうに見えてくるわけで、そういう状態で冷静な判断はできないんですよね。それを篠田さんは理解している。目の前の食事に飛びつかず、一歩引いて待っていられるのはユニークだなと思います。

齋藤太郎(さいとう たろう)/コミュニケーション・デザイナー/クリエイティブディレクター。慶應義塾大学SFC卒。電通入社後、10年の勤務を経て、2005年に「文化と価値の創造」を生業とする会社dofを設立。企業スローガンは「なんとかする会社。」。ナショナルクライアントからスタートアップ企業まで、経営戦略、事業戦略、製品・サービス開発、マーケティング戦略立案、メディアプランニング、クリエイティブの最終アウトプットに至るまで、川上から川下まで「課題解決」を主眼とした提案を得意とする。サントリー「角ハイボール」のブランディングには立ち上げから携わり現在15年目を迎える(撮影:梅谷秀司)

動かないと不安になる人も多い中、どうやったら「食べなくても死なない」と思えるんですか?

篠田:結局私がジョブレスでやっていたのは、世の中一般の良しあしの物差しではなく、自分の好き嫌いを把握することだったのだと思います。「レストランをいっぱい知っている人が素敵」といった世の中の基準ではなく、「私はたとえレストランに詳しくなくてもこういう人が好き」を見出したかった。それを見つけようとするとき、周りの雑音が邪魔になるじゃないですか。

齋藤:面白い。バイアスのデトックスですね。

篠田:ただ、世の中一般の物差しと自分の好みが違うかもしれないと気づくには、一度世の中の物差しに自分を合わせる必要があるように思います。世の中でいいとされているものを、一通り味見してみる。その結果として「違う」にたどり着かなければ、そう感じる自分を信じきれない気がするんですよね。

齋藤:確かに、ただのひがんでいる人になりそうですね。

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