自分らしいキャリアが見つかる「心の声」の聞き方 本当の「やりたいこと」を知った2人のプロ対談
篠田:そのうえで自分の声を聞くには、そこはかとなく感じた違和感を忘れないことが大切かもしれません。私は「何が好き?」「何がやりたい?」を問われると、いまだにパキッとした答えが出せないんです。
でも、若いころから「何が嫌?」「やりたくないことは何?」という問いには答えられていた気がします。それが少しずつ積み重なった部分もあったのかもしれませんね。
『フォーブス』の表紙を飾り…たい?
齋藤:僕は勝利請負人として、いわば傭兵として「大将」を勝たせる仕事をしています。目の前に勝つ人がいるのは楽しいけど、一度やるせなくなってしまったこともあって。「相手の勝ちっぷりほど自分は勝っていないな」と思ってしまったことがあったんです。
もちろん自分が支えた大将が勝つのはうれしいし、「勝てたのは自分が手伝ったからだ」と思えるようなエゴも満足感もある。でも、大将の気が変わって捨てられることもあるわけです。それが当時は本当にショックでした。
大将を支える立場である以上、自分が『フォーブス』の表紙にドンと載るようなこともないわけで、「やっぱり自分で事業をやったほうがいいのか」と悩んだことがあったんです。
ただ、自分の声を聞いたときに、「俺は人のために仕事をするのがいちばん好きなんだ」と気づいて。直接やり取りしている目の前の人たちをハッピーにして、それによって世の中に大きなインパクトを与えられる。これはこれですごくいい仕事だから、世間的な“フォーブス物差し”は自分にはなくていい。そう思えてから、楽になりましたね。
篠田:さらっと「自分の声を聞いた」とおっしゃいましたけど、どうやったんですか?
齋藤:山にこもりました(笑)。
篠田:え!?