大幅増益の東京電力と苦戦の関西電力を分析

原発事故後、明暗が分かれる電力2社

当然、原発に頼っていた分の電力量は、ほかの手段で調達しなければなりません。関電は、火力発電所をフル稼働することと、他社から電力を融通してもらうことで賄おうとしました。そのため、燃料費と電力の購入費が膨らんだのです。

関電は、2012年3月期から3期連続で営業赤字を計上しています。2013年に電気料金を値上げしたことで、営業収入は増えましたが、それでも2014年3月期も717億円の営業損失を計上しています。2013年3月期の3140億円の赤字に比べれば改善しましたが、赤字が続いているのです。今期は今のところ営業黒字になっていますが、先ほども見たように電気事業だけを見ると赤字です。

これらの点を考えますと、そもそも、原発事故を起こしたのは東電であるわけですが、原発停止によって経営的に大きな影響を受けたのは関電かもしれません。

そして、電気料金を払っているのは、関電管内の利用者です。個人も大変ですが、企業の業績にも大きく影響するでしょう。とくに、中小企業は大変です。結局、値上げという名の被害に遭っているのは、利用者たちだと言えます。

冒頭でも触れましたが、関電は今年4月から電気料金を平均で10.23%値上げしようとしています。同社の説明によると、2015年度は燃料費と電力の購入量などあわせて3240億円の原価変動額が見込まれるとのことです。

ただ、これも今年11月から高浜原発3・4号機を再稼働させることを前提として計算されていますから、もし、この再稼働の見通しが立たなければ、さらなる値上げに迫られる可能性があることにも注意が必要です。確かに、原油安はコスト削減要因ですが、いずれにしても、関電は今後も厳しい経営状況が続くと思われます。

業績を見極める4つのポイントとは?

電力会社の今後の業績を見極めるポイントは、いくつかあります。一つは、原油価格の下落がいつまで続くのかということです。火力発電の燃料となるLNGの大部分の価格は原油価格ベースで算出されますので、原油価格が下がれば、LNGの価格も下落します。もちろん、これは電力の原価を抑えることに繋がります。

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