続報!大塚家具、父娘「激突」の舞台裏 昨年初から両者の対立は抜き差しならかった
目下、久美子氏は取締役ながら、取締役会を除く会議にはほぼ出席せず、会社には週数日行く程度である。会社を去る選択肢もあったが、それでは現社長を抑える人が誰もいなくなる、と判断。解任された後も会社に残ったものの、勝久氏の言動を見ても、一向にガバナンスの改善がないとして、株主提案という最後の手段もやむをえない、との姿勢に傾いたわけだ。
上場会社は所有と経営の分離が重要だ。久美子氏によれば、自分は株主および創業家の立場として、社長になるとしてもショートリリーフでよく、その次の社長は創業家以外でも構わない、など様々な選択肢を模索している。
この間、経営方針をめぐり、両者の対立は根深い。久美子氏は2009年の社長就任以来、“敷居が高く”なっていた店舗の見直しを断行。顧客の裾野拡大に腐心した。
もはや時代遅れの売り方?!
大塚家具の従来の売り方は、店舗入り口で氏名や住所を書かせ、会員登録をさせたうえ、販売店員が一緒について回る接客方法だ。いわゆる“結婚後のまとめ買い”需要で成長し、2001年12月期には営業利益75億円でピークを迎えた。
しかしその後、住宅需要低迷に加え、ニトリホールディングスや北欧のイケアなど、新興勢力が台頭。単品の買い替え需要も増えていった。消費者は安くても高品質でセンスある商品を選ぶ時代になったのだ。
このため久美子氏は社長在任時、「(一人でも)入りやすく、見やすい、気楽に入れる店作りをしてきた」。店舗にもカジュアルな雰囲気を施して、「10年以上減り続けてきた入店者数も数年前に増加に転じた」(同)。
が、勝久氏は、この路線転換を許せなかったようだ。
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