続報!大塚家具、父娘「激突」の舞台裏 昨年初から両者の対立は抜き差しならかった

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
前期は4年振りに営業赤字に転落。が、キャッシュは豊富で自己資本比率も74%と、すぐに傾くことはない

10年前に戻す──。2014年7月に社長に返り咲くや否や、勝久氏は自分が進めてきた元の路線に一気に回帰。新聞の折り込みチラシなど広告宣伝にカネをかけ、高価な商品を前面に出しアピールしている。

さらに、久美子氏がファッションに敏感な層を取り込むため出店した青山と目黒の小型店も、勝久氏が社長に復帰すると同時に閉鎖を決定。わずか半年で、久美子氏が5年間進めてきた時計の針を、すべて戻している最中にある。

これに対してある幹部は「(勝久会長は)今まで自分がやってきたことやアイデンティティまで否定されたと思ったのだろう」と推し量る。

4年振りの営業赤字転落へ

大塚家具は2014年末、前2014年12月期の業績について、2度目の大幅下方修正を実施。期初の約12億円の黒字から、約5億円の営業赤字へ4年ぶりに転落する、と発表した。

今でも久美子氏は父の勝久氏を、「カリスマ的に黄金期の大塚家具を引っ張り成長させたことはすばらしい」と評価しながらも、「ただ消費者は変化するので手法も変わるのが自然だ」と付け加えるのを忘れなかった。

はたして今回の久美子氏の動きに、株主総会を前に、勝久氏が取締役会でどう判断するか。創業家内の攻防は次なる幕を迎えようとしている。

(撮影:今井康一)

週刊東洋経済2015年1月24日号<19日発売>「核心リポート01」を加筆して転載)

冨岡 耕 東洋経済 記者

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事