孤独な中年にならないための人間関係「定期検査」 「ライフシフト2に学ぶ」支え合い関係を保つ術

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こうした変化に伴い、新しい問いも持ち上がっている。たとえば、曾祖父や曾祖母の世話は誰がすべきか、といったことだ。

あらゆる人間関係に関わる世代間の関係

家族という核の外側には、親しい友人たちがいる。そのような友情は、しばしば何十年も続く。ハーバード大学医学大学院のグラント研究が明らかにしたように、親しい友人は人の幸福度と人生への満足度を大きく左右することがある。

その外側には、それほど長期的ではない人的ネットワークが存在する。この種の人間関係は、仕事と娯楽の両面でメンターやロールモデルの供給源となり、学習のプロセスで重要な役割を果たす場合がある。

頻繁に移行を経験するマルチステージの人生では、前のステージではぐくんだ人間関係を維持し、それに投資し続けるために、より多くの努力と積極的関与と目的意識が必要とされる。

また、自宅で仕事をしている人は、仕事上のコミュニティーを築こうと思えば、わざわざ時間を割かなくてはならない。その点、従来型の職場で働く友人たちは、とくに意識的に努力しなくてもそのようなコミュニティーをはぐくめる。

その外側に位置するのは、地域コミュニティーと隣人たちだ。地域コミュニティーの一員となり、なじみの面々と顔を合わせれば、喜びを感じられるだろう。そして、そのさらに外側には、いくつもの地域コミュニティーの相互作用により形づくられる社会が存在する。

こうしたすべての人間関係に関わってくるのが世代間の関係だ。長寿化により、同時にいくつもの世代が共存するようになり、人生のあり方に関する世代間の考え方の違いがいっそう際立ってくる。

若い世代は、新しい生き方を見いださなくてはならない。しかし、若者たちが新しい生き方を実践しようとすれば、世代間の摩擦が強まる。

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