ドコモ、「パズドラパクリ疑惑」の先に描く夢 ケータイの巨人がゲームに本腰を入れ始めた

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現在はトライアル段階と位置づけているため、目立った販促は実施していない。ただ、今後はドコモショップと連携し、来店客が待ち時間に端末で遊べるようにしたり、販売するスマホやタブレット端末にあらかじめアプリをインストールする方法も考えられる。メールや各種SNSの公式アカウントを通じた情報発信も活発化しそうだ。

このように、優れたタイトルがあれば、力技でヒットに結びつけるツールを備えているのは、6000万人超のユーザーを抱える携帯電話会社ならではの強みといえる。今年度中にはRPG(ロールプレイングゲーム)や育成系のゲームも配信する予定。注力するジャンルなどは特に決めておらず、全方位で勝負する構えだ。

渡辺氏は今後の戦略について「基本的には全張り。どのジャンルにおいても、打席に立たなければどんな作品がヒットするかわからない。現在は数名だが、採用を進めて人材も増やしている。最終的にはアジアや米国など、グローバル規模でやっていきたい」と意気込む。

河野氏も気合い十分だ。「先進的なユーザーだけでなく、一般ユーザーに遊んでもらえるようなゲームを提供していく。ランキング100位以内ではまったく満足できない。是が非でも、もう一段階上の大ヒットを狙っていきたい」。

ヒットのカギは独自性

独自性をどう打ち出すか、ドコモの“素人力”が試される

ドコモの2015年3月期は、音声定額を含む新料金プラン導入による影響などで、営業利益は6300億円と前期比23.1%の大幅減となる見通し。

また、通信以外の新分野で2016年3月期に売上高1兆円を目指す計画も掲げており、ネイティブゲームにおいても大ヒットが求められている状況だ。

「引っ張る」操作で大ヒットとなったモンスターストライクのように、独自のアイデアを継続的に配信できるかどうかが、大ヒットを生み出すカギになる。第1弾のマジカルフリックは「まるでパズドラ」と揶揄されたが、自ら課題とする斬新性、新規性をさらにアピールできるか。ドコモの“素人力”が試されている。

田邉 佳介 東洋経済 記者

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たなべ けいすけ / Keisuke Tanabe

2007年入社。流通業界や株式投資雑誌の編集部、モバイル、ネット、メディア、観光・ホテル、食品担当を経て、現在は物流や音楽業界を取材。

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