ドコモ、「パズドラパクリ疑惑」の先に描く夢 ケータイの巨人がゲームに本腰を入れ始めた
グリーやモバゲーといった他社のプラットフォームと異なるのは、ターゲットを初心者ユーザーに絞っていること。課金するユーザーは1~2割と他社のプラットフォームに比べて多く、現在も売り上げを順調に伸ばしている。
ゲームビジネス担当課長の渡辺英樹氏は「得点ランキングを競ったり、アイテムをコレクションするゲームなどで課金されている。足元の月間売り上げは昨年と比べて10%ほど伸びている」と話す。
ただし、最近では端末上で動作し、より高度なゲーム性を実現できる「ネイティブゲーム」が急成長している。パズドラをはじめ、「モンスターストライク」(ミクシィ)、「クラッシュ・オブ・クラン」(ソフトバンク傘下のスーパーセル)などのヒット作もネイティブゲーム。そこで、ドコモも市場の成長を取り込むため、従来のdゲームの枠を超えたプロデュースに乗り出したわけだ。
ドコモはどう開発に絡むのか
とはいえ、ゲーム開発に関して“素人”のドコモが、おいそれと踏み込める世界でもなかった。
「ネイティブゲームは見過ごせない規模に成長しているので、2012年12月のdゲーム開始当初から構想していた。ただ、すぐにはできないので、人材の採用やノウハウを蓄積するなど、段階を踏んで準備してきた」(渡辺氏)
中途採用したゲーム業界経験者を中心に、プロジェクトが動き出したのは2014年3月ごろ。第1弾のマジカルフリックは、開発元のエディア社と企画段階から打ち合わせを重ねてきたものだ。
ドコモは、そもそものゲームの性格から、シナリオ、ゲーム上のさまざまな設定値をどのように調整するのか議論したり、実際にプレイしたうえで改善点を伝える役目を担っている。開発会社とどのように収益を分配するかは非公表だが、ドコモはゲーム会社の開発費用を負担する形になるという。
ネイティブゲームのプロデューサーを務める河野紘一郎氏も、実際に開発会社に出向いてプロジェクトを主導してきた。実は、河野氏は以前、ドコモの製品企画部で携帯電話のデータをパソコンなどで管理できるソフトを手掛けたり、音楽配信などにも携わっていた人物。
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