「母になったことを後悔」は精神疾患の兆候なのか 子を愛しているが、「母子」を超えた関係求める
今年2月に厚生労働省が発表した「2021年に生まれた子供の数」は前年比3.4%減、過去最少の約84万人でした。
近年、出生数が減少していることを受け、日本では「どうしたら女性が子供を持つことに前向きになれるのか」ということがよく話題になっています。その一方で「子供を産み、育てたけれど、母親になったことを後悔している女性」のことが話題になることはあまりありません。
日本でも海外でも、子供のいない女性が「子供を持たなかったことを後悔している」と発言することは社会的に許されています。しかし、その逆である「子供を産んで育てたけれど、母親になったことを後悔している」と発言することはタブーだとされてきたからです。
現実に母になったことを後悔している女性はいる
しかし、そのように考える女性が非難の対象となっても、「母になったことを後悔している」と考える女性が存在しないわけではありません。
そんなタブーに踏み込んだのがイスラエル人の社会学者のオルナ・ドーナト氏です。彼女は著書『母親になって後悔してる』(新潮社、著者:オルナ・ドーナト、訳:鹿田昌美)の中で、「今の知識と経験を踏まえて、過去に戻ることができるとしたら、それでも母になりますか?」という質問にノーと答えた23人の女性のインタビューを取り上げています。
欧米では 「#regrettingmotherhood」というハッシュタグのもと、多くの人がSNSで「母になったことの後悔」について議論を交わしています。
なぜ「世間が期待する母親」と「母親自身が捉える現実」の間にはギャップがあるのでしょうか。
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