このようにならないために大事なのは、「そうなんだ。それはイヤだね」「そういうの頭にくるよね」と共感的に聞くことです。共感してもらえれば、子どもは自分の中にたまっていた不満や愚痴をたっぷり話すことができます。
それがストレス解消にもなりますし、親に対する信頼感も育ちます。親にとっても、子どもの話をたくさん聞くことでいろいろな情報を得ることができます。それによって事の全体像がよりはっきり見えてきます。
そして、最後に「話してくれてありがとう。お母さんとお父さんはいつでもあなたの味方だからね」と言ってあげるといいでしょう。これで子どもは安心しますし、その後も親に話しやすくなります。
また、話を聞いたうえで必要と判断したら、「でも、大丈夫だよ。だんだん慣れるよ」「先生もあなたのことを思って言っていると思うよ」などの励ましやアドバイスをしてあげるのもいいでしょう。こうした励ましやアドバイスは、子どもの話をたっぷり共感的に聞いた後で言うことが非常に大事です。
こうしたことは、話をろくに聞いてもらってない状態で言われるとお説教にしか聞こえないのですが、自分の大変さをわかってもらえたうえでなら安心感につながります。
安易な同調や子どもの話を鵜呑みにしない
ここで1つ気をつけてほしいのが、共感を通り越して親が余分なことを言ってしまうことです。つまり、「そうなんだ、それはイヤだね」と共感するのはいいのですが、「そうなんだ、やっぱりね。あの先生は性格が悪いみたいだからね。A君のお母さんも、『あの先生は嫌い』って言ってたよ」などと言ってしまうのはやめるべきです。これは、共感を通り越した安易な同調です。
これだと、子どもは「みんなそう思ってるんだ。やっぱりろくな先生じゃないんだ。だったら、みんなにも言ってみんなで反抗してやらなきゃ」などと思ってしまう可能性があります。これでは、子どもの気持ちが安らぐどころか、より激しくより否定的な感情になってしまいます。それに、そもそも子どもが言っていることがただの勘違いである可能性もありますので、こういう余分なことは言わないほうがいいのです。
子どもの話に共感しつつも、それをすべて鵜呑みにしないことも大事です。というのも、これもちょっとした行き違いによって子どもが勘違いをしていることもあり得るからです。そこで、子ども以外からも情報を集めることが必要になってきます。
例えば、子どもの友達やその親、以前その先生に教わった子やその親、以前の担任の先生、スクールカウンセラー、養護教諭などです。また、当の担任に聞く必要も出てくると思いますが、その際の話の聞き方については、後述の大人の交渉術をご参考にしてください。
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