ユニクロ"残酷工場"で何が起きているのか 苛烈な労働環境を告発したNGO会見の詳報

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問題が見つかった場合、労働者は罰として給料が差し引かれる(SACOM提供)

今回調査にあたった2つの工場は、特に環境が悪い工場と感じている。中国を代表する大きな工場であり、ほかの中小企業のモデルにならないといけなかったのに、そうでなかったことに懸念を抱いている。

――中国の労働安全関連法はどうなっているのか。

基本的な労働環境は提示されているが、詳細にわたるまでは記されていない。工場内の室温は決まっていて、それを超えると新たな賃金として高温手当を払わないといけないが、あまり守られているとは言いがたい。

――長時間労働はどう弾きだしたのか。資料があるのか。

工場の資料ではなく、潜入調査でだいたいの労働時間を計算した。

モニタリングを徹底する必要がある

――今回の報告書に対するユニクロのリアクションのスピード感はどうだったのか。

いろいろなリアクションを懸念していたが、このような速さは予測していなかった。意外な印象がある。社会的に大きく関心を持ってもらったこともあり、早めに対応することになったのかもしれない。

ユニクロが本日リリースを出してきたのは、私たちが予定していた会見を考慮してではないのか。回答としては事実関係をすべて否定しているわけではなく、一定の評価はできるが、中身をしっかり見ないといけない。また、それが本当に実施されるかどうかは別問題だ。今後はきちんとモニタリングしなければならない。

――飲食など中国に進出しているほかの日本企業も調査対象になるのか。

今までにディズニーやアップルといった大きな会社も潜入調査した。もし必要であれば、ほかの日本の国際的企業も調査する。今回のユニクロで終わりではない。問題企業があれば、抜き打ち調査を行い、改善を求めていく。

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