中国「コロナ再流行」で外資系メーカーに試練 物流寸断で生産中断、人材確保もままならず

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中国有数のコンテナ港である上海港は、多くの外資系メーカーにとって物流の生命線だ(写真は上海港の運営会社のウェブサイトより)

中国では新型コロナウイルスの局地的流行が3月から各地で拡大。現地進出している外資系メーカーの経営に深刻な影響を与え始めている。なかでも外資を悩ませているのが、物流寸断と人材確保の問題だ。

在中国欧州連合商工会議所(EU商工会議所)は4月6日、中国各地の支部長を集めた円卓会議をオンラインで開催した。その席で華南支部のクラウス・ゼンケル支部長は、3月14日から7日間のロックダウン(都市封鎖)が実施された広東省深圳市の現状を次のように述べた。

「ロックダウンの終了後、工場は徹底した防疫管理の下で比較的順調に生産を再開できた。しかし、完成した製品を各地の顧客の元へ運ぶのが非常に難しくなっている」

中国東北部の瀋陽支部のハラルド・クンプフェルト支部長は、ドイツ自動車大手のBMWの事例を挙げ、現地の苦況をこう訴えた。

「遼寧省瀋陽市にあるBMWの合弁会社は地元政府にとって大口の納税者であり、工場の生産活動は(政府の特別な計らいで)防疫対策の制約を受けていない。だが、サプライチェーンの混乱で部品や原材料の供給がストップし、現実には生産継続が困難になっている」

上海コンテナ港の取扱量が4割減か

物流寸断の問題に関して、外資系企業がいま最も懸念しているのが(中国有数の国際コンテナ港である)上海港の状況だ。「(厳しい防疫管理体制が敷かれた)港湾地区に出入りできるコンテナ・トレーラーの運転手が不足しており、貨物の輸送がままならない」。EU商工会議所上海支部のベティナ・ ショーン・ベハンジン支部長は、直近の状況をそう報告した。

同支部のある会員企業の調査によれば、上海港の貨物取扱量は平時に比べて4割減少している。上海から近い浙江省の寧波港が取扱量を増やして対応しているが、それでも全体として15~20%足りない状況だという。

本記事は「財新」の提供記事です

そこに追い打ちをかけているのが(コロナ禍で人の移動が制限されていることによる)人材確保の難題だ。各地の支部長からは、次のような苦悩の声が異口同音に漏れた。

「ヨーロッパ企業にとって、中国が長期的に重要な市場であることに変化はない。しかし現下の状況では、(中国の)国境を跨ぐ人事異動が非常に難しい。いま中国にいる駐在員が帰国を希望する一方で、ヨーロッパにいる社員は中国に赴任したがらないからだ」

(財新記者:王力為)
※原文の配信は4月7日

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