中国では新型コロナウイルスの局地的流行が全国的に急増し、製造業のビジネスに大きな影響を与えている。4月1日に発表された3月の財新中国製造業購買担当者指数(製造業PMI)は48.1と、前月(50.4)より2.3ポイント低下。好不況の判断の目安とされる50を割り込み、中国国内で新型コロナが大流行した2020年初め以降の最低値を記録した。
製造業の3月の事業活動は、供給側と需要側の双方に急ブレーキがかかった。(供給側の指標である)生産指数と(需要側の指標である)新規受注指数は、そろって2020年3月以降の最低値に落ち込んだ。
供給側では一層強化された新型コロナの防疫対策の影響を受け、サプライチェーンが混乱。製造業は安定した生産が困難になっている。需要側では(個人の消費意欲の後退を受けて)消費財の需要減速が目立った。
雇用は安定もインフレが悪化
景況感の悪化にもかかわらず、製造業の雇用は比較的安定している。3月の雇用指数は、前月までの7カ月連続の縮小基調から拡大基調に転じた。だが、調査対象企業の一部からは「新型コロナの影響で新規採用を見合わせている」との声も聞かれ、先行きは予断を許さない。
新型コロナと並んで中国の製造業を悩ませているのが、ウクライナ危機をきっかけに生じたエネルギーや金属などの国際相場の急騰だ。(仕入れ価格の指標である)購買価格指数と(販売価格の指標である)工場出荷価格指数は、3月はそろって5カ月ぶりの高水準に上昇、インフレ圧力の高まりを示した。
「中国はいま、新型コロナの流行が2020年初め以降で最も厳しい状況にあるなかで、ウクライナ危機など海外発の不確実性にも直面している。経済に強い下押し圧力がかかり、スタグフレーションに陥るリスクが高まっている」。財新グループのシンクタンクCEBMのシニアエコノミストを務める王喆氏は、そう警鐘を鳴らした。
(財新記者:程思煒)
※原文の配信は4月1日
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