中国のネットサービス大手、騰訊控股(テンセント)の業績が下押し圧力にさらされている。同社は3月23日、2021年の10~12月期の四半期決算および2021年の通期決算を発表。10~12月期の売上高は1441億8800万元(約2兆7375億円)と前年同期比8%の増加にとどまり、2004年の上場以降で最低の伸び率を記録した。
一方、10~12月期の純利益は949億5800万元(約1兆8029億円)と、前年同期比60%増加した。しかし投資収益などの一時損益を除いた非IFRS(国際会計基準)ベースの調整後純利益は、同25%減の248億8000万元(約4724億円)だった。
調整後純利益の減少は、直前の2021年7~9月期から2四半期連続だ。オンラインゲーム、SNS(社交サイト)、ネット広告などの主力事業が成長鈍化に直面するなか、フィンテックや法人向けサービスなど新分野の成長だけでは収益力の低下を補えなかった。
経営環境の短期での改善見込めず
具体的には、2021年10~12月期のオンラインゲーム事業の売上高は428億元(約8126億円)。その7割を占める中国国内での売り上げは、前年同期比わずか1%の増加にとどまった。
SNS事業の売上高は291億元(約5525億円)と前年同期比4%増加したものの、直前の7~9月期の303億元(約5753億円)より4%減少した。その要因としては(SNS上でプレーされる)ゲームのアイテム販売の落ち込みが大きい。
状況が最も厳しいのはネット広告事業だ。10~12月期の売上高は215億元(約4082億円)と、前年同期比13%のマイナスを記録。教育、ゲーム、ネットサービスなどの業界からの広告出稿が(中国政府の規制強化の影響を受けて)大きく落ち込んだことが響いた。
テンセントを取り巻く厳しい経営環境は、短期間で改善する見込みはほとんどない。
同社の劉熾平総裁(社長に相当)は決算説明会で、「ネット広告事業の売り上げ回復には時間がかかる。状況がいくぶん好転するのは2022年末だろう」との見方を示した。
(財新記者:杜知航)
※原文の配信は3月24日
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