SNSが気になり、仕事進まない人の心理が当然な訳 脳の本能を知るだけで意外と簡単に抜け出せる

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人類の脳にとって、不安要素や心配事に意識を割いている状態こそが通常モード。これは記憶力日本一を競う競技で私が幾度となく実感してきたことです。

私が長年取り組んできた、記憶力日本一を決める競技の種目は毎回決まっていて、しかも同じような記憶のテクニックを使って競技に臨みます。だとしたら毎回、記憶できる量もさほど変わらないのではと思われがちですが、じつはかなりバラつきがありました。そのときのコンディションに大きく左右されるからです。このコンディションの変化を引き起こす最大の要因がメンタルの状態、つまり不安や心配といった感情のレベル。この違いが集中力に大きな差を与え、集中力を源泉として成り立つ記憶力にも大いに影響しました。

スマホが集中力を奪うのは当たり前

近年、集中力を阻害する悪役の一番手がスマートフォンという認識が一般的です。

たしかに、大事なメールが来ているかもしれない、有益な情報を逃してしまうかもしれない、友人から急ぎの連絡がきているかもしれない、などを心配する意識が常に働いているからこそ、それらを一手に引き受けるスマートフォンの存在が気になってしまいます。

そして何回かに1回、実際に重要な知らせが来ていたり、有益な情報を手に入れることができたり、友人と楽しい会話ができたりすると、そのたびに脳に快楽物質であるドーパミンがドッと分泌されることに。こうして、危機を察知するために使われてきた脳の本能が別のことに利用され続け、ますます「スマートフォンを見たい」という欲求が強化されていくわけです。

この流れ、別の見方をすると「脳が安全性を確保しようとしている」とも言えます。

有益な情報が来ているか来ていないか、大事なメールが来ているかいないか、といった不確実な情報が周囲に存在していた場合、その正体をあきらかにすることで安心しようとする性質です。これは本人の意志とは関係ないので、過度に自分を責めるべきではありません。

このように本能的な脳の働きは私たちの活動すべてに影響します。なかでも注意したいのが「ながら〇〇」。何かを覚えることを必要とする仕事や勉強の場合、特にやめておいたほうが無難です。

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