SNSが気になり、仕事進まない人の心理が当然な訳 脳の本能を知るだけで意外と簡単に抜け出せる

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「SNS巡回で仕事渋滞」を断ち切れないのには根本的な原因があります(写真:USSIE/PIXTA)
1つのタスクに集中したいのに、気になることが頭に浮かぶと調べ出してしまう。面倒な仕事に取り掛かる前にSNSを一通り見て回り、なぜか別のことを始めていた。明日の試験に向けて勉強するはずが、部屋の掃除や写真の整理などを始めた。
このように意識を奪われる対象が次々と変わり、いつの間にかかなり時間を浪費していた、という経験は誰しもあるでしょう。
集中力を発揮したい場面でうまく発揮できないのを個人の資質によるものと考え「だから自分はダメなんだ」「どうにか改善しないと」などと反省する人は多いもの。たしかに「集中力は意志力」などとも表現されることもあるため、意志の弱さを嘆くのはわかりますが、果たして本当に意思だけの問題でしょうか。『勝手に集中力がつく1分ドリル』の著者、池田義博氏が解説します。
前回:集中力のない凡才と凄まじい天才を分ける決定差(4月1日配信
前々回:集中力の続かない人がよくやる6つのNGパターン(3月25日配信

集中できないのは脳の本能の仕業

実は勉強や仕事をするうえでマイナスとしか思えない集中力の欠如は、人間の脳にとっては単なるデフォルト状態でしかありません。つまり気が逸れる現象は、誰もが先天的に持っている脳の本能であり、なんということはない「通常モード」なのです。この本能があるおかげで、脳が1つのことに集中しすぎなかったからこそ人類は生き延びてきたとも言えます。

現代における私たち日本人の日常生活で四六時中、いきなり生命を脅かされるような危険に晒され続けることは、おそらくないはずです。では時代を遡ると、どうでしょうか。

自然災害や危険な動物などに対処する知識や知恵、備えがなかった時代は、それらへの対応は自分や仲間の本能が頼りでした。もし何か1つのことだけに深く集中し考え続けていたら、そうした危険を察知できないリスクが高まります。もちろん危険を避けることは難しいでしょう。

いまも、山岳地帯で働く人は気圧や湿度を敏感に感じ取ることで危険な天候の変化を察知しますし、大型動物の飼育員などは表情などからもそのときの状態を察知しますが、人類は何世紀にも渡り、多くの危険に対して常時アンテナを張ったままでいる必要がありました。そのなごりが現代人の脳にも色濃く残っている、というわけです。

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