ノーベル賞「文学賞と平和賞」に末っ子が多い理由 物理学、化学、経済学、医学には長男長女が多い

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長男と長女は、兄弟姉妹の中では、一番上なので、家庭の中でリーダーになりやすいことも理由に挙げてよいでしょう。長男と長女は、兄弟との付き合いの中で、リーダーシップも自然に養われていくのです。こうした理由によって、長男と長女は、非常に政治家向きの人格を形成していくのだろう、というのがアンデウェグの指摘です。

アンデウェグが、オランダの地方議員と国会議員の両方を調べても、やはり長男と長女が圧倒的に多く、中間子(真ん中)は非常に少なかったそうです。

政治家は、国民を守るために、しっかりした人になってもらわなければ困ります。中途半端なところで、簡単に諦めて投げ出すような人では、私たちも困ってしまいます。そのため、政治家に長男と長女が多いということは、まずは安心できるといえるでしょう。長男と長女には、面倒見がよく、世話焼きで、しっかりした人が相対的に多いですからね。

ついでにもうひとつ面白い研究をご紹介しておきましょう。

アメリカロード・アイランド・カレッジのロジャー・クラークは、197名のノーベル賞受賞者の出生順位を調べて、物理学、化学、経済学、医学の受賞者には長男と長女が多く、文学と平和の受賞者には末っ子が多いことを突き止めました。

しっかり者の長男と長女は、研究するときにも簡単に諦めたりしませんし、投げ出したりもしません。コツコツと同じ研究にずっと取り組むことができることが、ノーベル賞受賞につながるのでしょう。

その点、末っ子のほうは、わりとのびのびと育てられるので、そのぶん自由な発想ができるような大人になり、そのことが文学賞や平和賞の受賞につながるのかもしれません。

末っ子ほど、リスクをおそれない

長男と長女が、どちらかというと保守的で、あまり危険を冒さないタイプに成長するのに対して、末っ子のほうは逆にリスク・テイカーとして成長していくことも知られています。

カリフォルニア大学バークレー校のフランク・サロウェイの研究によると、末っ子は、第一子(長男・長女)に比べて、1.48倍もリスクの高いスポーツを好むそうです。ラグビーやアメフトなど、激しいぶつかり合いを好むのが末っ子。長男と長女は、水泳ですとかゴルフですとか、あまりケガをしないスポーツを選ぶ傾向があります。

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