一風堂ラーメンが90秒で買える最新自販機の正体 米フードテック企業が日本食に目を付けるワケ
「一風堂の認知がすでに高いエリアでYo-kai Express向けにメニューを提供することで喜んでもらえると考えていますが、我々の使命は、ラーメンや日本食の魅力、文化を世界に広めていくことだと考えています。その手段の一つとしてYo-kai Expressに期待しています」(力の源ホールディングス広報の桑野洋氏)
と、すでにラーメンを製造するインフラを保有している地域での事業機会増加を見込んでいるが、単なるメニュー提供の先も見据えているという。
前述したように日本食ニーズは高いものの、味が良く品質の高い日本食を均質に顧客に届けるためには人材確保の壁がある。
適切な状態に調理された麺を適切な温度で提供する。さらには顧客の好みに合わせて調理オプションを選べる。従来ならば属人的だった技術をYo-kai Expressがカバーできるならば「ニーズと人材確保のギャップを埋められる」(桑野氏)と話した。
カジュアルな日本食ニーズがあるとわかっているものの、人材確保ができずに店舗をオープンできないといった制約、ギャップを埋めることができれば、一風堂だけではなく丼ものなど多様な食事も提供可能になる。
一風堂ブランドのラーメンを提供できる具体的な時期は未定とのことだが、すでに「凍らせた生卵を調理してオプション提供できないか」など、次に向けたアイデアも出始めており、着々とプランが進められている。
国内でもさまざまな展開オプション
Yo-kai Expressは自動販売機ごとの売上傾向、装置内の在庫数もオンラインで把握する機能もあるため流通最適化も容易だ。
それこそリン氏がインスパイアされたうどんの自動販売機などが置かれていた、高速道路のパーキングエリアや幹線道路沿いにあった無人自動販売機店舗、あるいは道の駅などでの展開が期待される。
また少量生産の実験的な製品、あるいはご当地の限定メニューなども組み込むことが容易だろう。
東京駅で試食した「IPPUDOプラントベース」は、一風堂の実店舗でも期間限定で数店舗のみで販売されていた実験的なメニューだ。完全植物由来のとんこつ風ラーメンで、麺にも卵を使っていないなど完全なヴィーガン料理になっている。
現在は実店舗での提供も終了している。そうした実験的なメニューも自動化することで幅広く展開できるのも自動販売機の利点と言えるだろう。近い将来、人材不足が深刻になるだろう地方での展開なども含め、国内でのさまざまな展開オプションも考えられる。
【2022年4月20日15時00分追記】 記事初出時、事実関係に誤りがあったため修正しました。
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