一風堂ラーメンが90秒で買える最新自販機の正体 米フードテック企業が日本食に目を付けるワケ

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具体的な手法は企業秘密とのことだが、調理に使うのは水だけ。

水を過熱水蒸気、水蒸気、お湯と、異なる温度帯で駆使することで、短時間にお店でのつくりたてに近い状態に解凍し、仕上げ調理を行う。

わかりやすいタッチパネルで操作。決済は現金以外に、大多数の非接触決済手法が使える(写真:Yo-kai Express)

日本では1台あたり50食までをストックできるモデルのみの提供で、メニューもラーメンのバリエーションのみだが、海外では丼ものやスープ類に加え、ムースやタルトなどのスイーツメニューも用意されている。

すでに東京駅、首都高の芝浦パーキングエリア、羽田空港にパイロット導入され、中でも芝浦パーキングエリアでの売り上げが好調。メンテナンスサービスはソフトバンクロジスティクスが提供する。

「一風堂ラーメン」の体験を無人で提供

日本での事業開始に際しては、グローバルに日本食ビジネスを展開している力の源ホールディングスとも協業、一風堂ブランドで知られる同社のラーメンを自販機で購入できるようになる。

容器は耐熱プラスティックだがアメリカでは植物由来の素材を採用。日本でも認可が下り次第切り替える(写真:Yo-kai Express)

ライセンス生産ではなく、力の源ホールディングス自身が急速冷凍処理し、調理プロセスの細かな調整や味の確認を行ったうえでの提供予定だ。メニュー開発を終え、量産体制を整える準備を進めているという。

実際に一風堂とんこつラーメンを食べてみてみると、本家がゴーサインを出しているだけのことはある。作りたての温度感。まさにお店で出てくるラーメンそのままというイメージで出てくる。

麺の硬さやスープの濃さなどのオーダーは現時点ではできないが、調理プロセスを調整することで麺の硬さを選ぶ機能も追加可能になっていくという。そうなれば、店舗での一風堂ラーメン体験そのものを無人拠点へと広げることが可能になる。

日本食は寿司や天ぷら、あるいは本格的な日本料理店など、グローバルに知られる高級料理だけでなく、ラーメン、カレー、うどん、弁当など、カジュアルな食ジャンルでも世界中で愛されている。

北米や欧州を初めて訪れたとき、現地でのラーメンなどの人気に驚く人も少なくない。それこそ行列ができるほどだ。

力の源ホールディングスはラーメン専門店の一風堂を15の国と地域に展開し、2022年3月の時点で海外店舗は133箇所にまで増えている。売上規模の面でも2020年実績で約4割(約97億円)を海外店舗が占める。

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