しかも仕事を受ける側は事業者が介在しないため(厳密にはAny+timesが成約金額の15%を手数料としてもらう)従来の家事代行サービスで受け取る報酬よりも高くなることが多いという。
Any+timesは「家事代行」ではなく「家事シェアリング」という言葉にこだわる。
「現在はお部屋や水回りの掃除のご依頼が最も多いです。ほかにも1週間分の手料理の作り置きや、急な用事ができた際にペットを預けたいとか、スーパーでの買い物代行とか、そういったご依頼を受けることが多いです。家事の代行というと少し重く捉えられがちなので、近所の人にちょっと仕事を頼むくらいのニュアンスで、家事シェアリングという言葉をわれわれは使っています」(角田氏)
スマホアプリリリースで「即時性」「近距離」の利便性に期待
恵比寿に住む筆者を例にとると、横浜在住の方と蒲田在住の方が部屋の掃除に来てくれた。このケースは近所とは言い難いが、Any+timesは近所の人に気軽に仕事を頼めるようなサービスを目指しているという。地域コミュニティを盛り上げることに関心があると角田氏は語る。
「『日常のちょっとした困りごとをご近所の人に気軽にお願いできるプラットフォーム』がサービスコンセプトです。仕事を依頼する側のターゲットは忙しいビジネスマンやOL、仕事を受ける側のターゲットは主婦やシニア層を中心に想定しています。こういった個人間の仕事を通してご近所のつながりを作りたいと思っています」(角田氏)
特に都心はご近所付き合いが少ないといわれており、海外と比べると見知らぬ人を家に招き入れて仕事をしてもらう敷居は一見高いように見える。しかし、日本の方が回覧板などご近所付き合いの文化は根強いと角田氏は指摘する。
筆者は北海道旭川市の出身だが、隣の家の人と夏は庭でBBQをするなど、それなりにご近所付き合いはあったと記憶している。地方の方がAny+timesの志向する文化と相性はよいかもしれないが、それを都心で実現できれば面白いと感じる。
Any+timesは2015年1月末にスマホアプリのリリースを控える。スマホアプリであれば地図表示でより近所の人に仕事をお願いしやすくなり、プッシュ通知でより短時間で仕事がマッチングしやすくなる。
海外では「Instacart」という生鮮食品の買い物代行スマホアプリがあり、依頼から1~2時間ほどで買い物して届けてくれるという。こういった短時間で要求に応えるサービスは「オンデマンドコマース」と呼ばれており、次代のECとして注目を集めている。Uberもオンデマンドコマースの一種といえる。
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