「家事のシェアリング」は普及するか タフな29歳女性起業家の挑戦

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忙しいビジネスマンの家事負担をご近所の主婦やシニア層が軽減してくれる。そんなマッチングサービスは社会的意義も高い。現在の展開カテゴリーの中核である部屋の掃除などから家事を幅広くとらえ、将来的には介護分野への参入も視野に入れたいようだ。Any+timesを通して地域の結びつきが強まり、より利便性の高い社会が実現するか、今後に期待したい。

【梅木雄平のスタートアップチェック】
●経営陣:3.9  小学生の頃から途上国の街づくりに関心を寄せ、起業を志向するなど、アイドル的なルックスとは裏腹に、プライベートもなくストイックに仕事に没頭するタフな性格。社会に役立つことに関心が高く、今風の社会起業家ととらえられなくもない。そのタフさと相性が非常によい事業であると思われる。
●市場性:3.7 家事代行市場のみとすると600億円程度となり、さほど大きくはない。家事代行市場を中心としたサービスECと捉えた場合、介護などほかにポテンシャルが大きなカテゴリーでのスケーラビリティがあるかがカギとなる。
●利益率:3.6 プラットフォームビジネスなので、成約額の総額(流通額)ではなく、流通額から一定料率の手数料が売上となる事業モデル(グロス金額ではなくネット金額を売り上げ計上)。ゆえに相当数の成約数がないと利益は出ず、見映え上の売り上げに対する利益率自体はよいが、ある程度(数十億円単位)の利益を出すまでに相当時間がかかり、儲けがいいモデルとはいえない。
●競合優位性:4.2 競合他社と比較してC2Cで展開しているのは同社のみ。C2Cは仕事依頼者受注者双方の評価がたまりやすく、プラットフォーム化するとスイッチングコストが上がるため、競争優位性を築きやすいといえる。
●海外展開力:- 現段階では海外展開の話はないため据え置き。
●総合点:3.8 法人契約での月額や広告モデルでの収益もありえるが、主力はC2Cの成約。掃除などを週1で毎週お願いする月額モデルなどが機能すると、1ユーザーあたりの年間ARPUが30万円(月間2.5万円程度)もありえる。成約件数10万件をいったん指標と置いてみたが、達成ハードルは高いが、角田代表取締役のガッツでこの社会性の高い事業が成立することに期待したい。
予想EXIT:2018年末に上場
EXIT時推定時価総額:約100億円
推定根拠:粘り続けて4年後くらいに達成すると見込み、当期利益3億、PER30-40倍程度で約100億円での上場と見込む。
月間成約数:10万件
平均成約単価:7000円
平均売上単価:1000円(成約単価の15%を手数料)
月商:約1億円
年商:約12億円
営業利益:約5億円(売上原価がほぼないため4割程度の営業利益率と想定)
当期利益:約3億円

 (撮影:梅谷秀司)

梅木 雄平 The Startup編集長

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うめきゆうへい

慶應義塾大学卒業後、サイバーエージェント子会社にてベンチャーキャピタル業務などに従事。複数のスタートアップ企業での事業経験を経て、2011年フリーランスとして独立後2013年に株式会社The Startupを設立。スタートアップ業界のオピニオンメディアThe Startup編集長を務める。著書に『グロースハック』がある
 

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