「家事のシェアリング」は普及するか タフな29歳女性起業家の挑戦

✎ 1〜 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 26 ✎ 27
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
2015年1月末にスマートフォン向けアプリをリリース予定のAny+times角田代表取締役

ほかにも海外ではNextdoorという地域コミュニティサービスやTaskRabbitというC2Cで家事などの簡単な仕事を依頼するサービスがあり、Any+timesの「地域」「家事シェアリング」という分野とは近しい。

現段階では家事シェアリングが中心となっているが、スマホアプリのリリースにより、即時的な利便性(例:出張に行かなければならず、ペットを預けたい)、近距離による利便性(例:仕事で遅くなるので、保育園に子供を迎えに行ってほしい)に期待がかかる。便利なサービスはリピート率も高く、Any+timesはC2Cのためサイト上に評価もたまっていく。スマホアプリにより、新規ユーザー獲得と継続率向上が見込めるだろう。

決して儲からない事業とは思っていない

筆者の「シェアリングサービスは儲からないのではないか」という仮説に対して、角田氏はにっこりと否定した。下記がAny+timesが想定しているビジネスモデルである。

Any+timesビジネスモデル
C2Cマッチング手数料(現状は15%):70%
福利厚生として法人企業に月額で導入:20%
地域特化の広告:10%
*各々の比率は筆者の今後の予測
2015年1月時点での事業数値
マッチング単価:約7000円(家事代行は2時間で4,000円程度)
月間成約数:非公開だが筆者は数百件単位と予測
注:サービスインは2013年9月
家事代行市場規模
600億円(2010年時点)
出典:全国家事代行サービス協会
1600億円(2014年時報道)
出典:おはようにっぽん

厳密にはAny+timesがターゲットとする市場は家事代行市場のみではないが、中心となる市場として上記に規模を掲載した。

ちなみに本稿で話してきたC2C事業以外に、2014年10月から法人向けの福利厚生サービス「エニタイムズfor Office」の提供も始めている。このサービスでは社員数に応じた月額料金を法人が納めれば、福利厚生としてAny+timesのサービスが10%オフで受けられるというものだ。

「儲からない事業だとは思っていません。成約単価は数千円単位なので、成約数を伸ばすことが第一です。2015年内に月間成約数1万件、2020年までに月間数十万件単位の成約数と年商65億円を目指しています」(角田氏)

次ページ梅木雄平はどうみる?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事