iPhone6は有機EL? 不透明なIPS液晶特需、“アップル”の落とし穴


海外勢も高精細へ舵 すぐに薄れる優位性

「アップルは毒リンゴ。安易に飛びついてしまえば、大ケガをするかもしれない」--。一部の液晶メーカーには強烈な教訓が刻まれている。携帯音楽プレーヤー「アイポッド」向けに小型液晶を供給していたあるメーカーは、かつてアップルからの要求に応じ増産体制を敷いた。

だが製品のモデルチェンジ前後はフル稼働でも、一巡するとムラがある。稼働率低下を補うため、慌てて他社への販売を増やしたが価格が折り合わず、つくればつくるほど赤字。大赤字の末にラインを縮小したという。

「以前、サムスン幹部が『日本の液晶業界をダメにしたのはアップルだ。それを見てアップル向けの液晶はやらなかった』と話していた」(液晶メーカー幹部)。液晶におけるアップルのパートナーがライバルのLGであることへの腹いせもあるだろうが、一面の真理はある。

サムスンは、アップル専用CPU「A4」の製造を受託しているほか、NAND型フラッシュメモリでも大きな取引量を誇る。

こうしたCPUやNANDとは異なり、液晶は製品ごとにサイズやスペックが異なり、モデルチェンジのたびに設計をし直す必要がある。メーカー数が多いことから価格競争にも陥りやすく、アップル向け液晶は、あまりおいしい商売ではないのだ。

世界的な価格競争に追随できなくなった日本の小型液晶メーカーは、差別化をニッチ市場に求めた。小型液晶需要の3分の2を占める携帯電話向け液晶の生産を絞る一方で、ゲーム、カーナビ、デジタル一眼レフカメラなどに注力し、少量でも高価な高精細液晶をつくり続けた。

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