iPhone6は有機EL? 不透明なIPS液晶特需、“アップル”の落とし穴

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だが、アップルが大々的に採用するようになったことで、にわかに高精細液晶はニッチではなくなった。こうなると、量産力に優る台湾勢も黙ってはいない。すでに日立ディスプレイズがチーメイにタブレット端末用のIPS液晶の一部を生産委託しているが、技術的には十分に追いつけるポジションだ。

液晶装置メーカー関係者は「これまでも少量生産してきた台湾AUOも低温ポリシリコンの設備増強を検討している」と言う。台湾勢が大々的に売れ筋へ乗り出すのは時間の問題なのだ。

今のところプレーヤー数が限られている低温ポリシリコンIPS液晶も、競争が激しくなる。ディスプレイサーチによると、小型液晶は当分の間、出荷数量増が続くものの、金額ベースでは14年の274億ドルをピークに頭打ちとなる見通し。

年に2~3割も下落していく大型テレビ用の液晶のような価格下落が、低温ポリシリコンIPSにも波及する可能性がある。

「現在の活況は一時的なもの。3~5年後がどうなるか、まったく見えない」。小型液晶メーカーの幹部がこう不安視するのも無理はない。サムスンのように毎年、何千億円も投資し続けるような体力がなければ、業界をコントロールできないのが現実だ。

シャープ、TMDが有機ELを量産へ?

しかも、そのサムスンにより、液晶そのものが強烈なライバルの挑戦にさらされている。夢のパネルと言われる、有機ELディスプレーだ。

まだ生まれたばかりの有機EL市場で世界シェア99%を誇るのはサムスンだ。「サムスンは有機ELの増産投資に舵を切っている。今年の初夏には第1期ラインが立ち上がる予定で、生産能力が上がれば、大型の『ギャラクシー・タブ』にも導入が進むだろう」(ディスプレイサーチの早瀬ディレクター)。

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