iPhone6は有機EL? 不透明なIPS液晶特需、“アップル”の落とし穴

韓国、台湾の追い上げにより窮地に追い込まれてきた日本の小型液晶産業。ここ数年は、下表のように再編、撤退が風物詩となり、青息吐息の状況が続いていた。

今でも、足元はフラフラだ。TMDは07年度から赤字続きで、現在は約1000億円の債務超過。生産拠点を半分に減らして再編を進めているところ。前向きな投資を行うだけの余裕はなく、昨年8月、有機ELの量産に向けた160億円の投資計画も白紙撤回したばかりだ。

日立ディスプレイズも、02年度以降は営業赤字か収支均衡圏でさまよう状態。キヤノンが出資額を増やして子会社化する構想も頓挫し、先行きが見えない状態に陥っていた。昨年6月に奇美電子(チーメイ)にIPS方式の低温ポリシリコン液晶の生産委託を開始したのも、固定費の増加を避けるためだった。

そもそも液晶産業は日本発祥。03~04年にかけ、日本の小型液晶メーカーは携帯電話やデジタルカメラなど搭載機器の拡大に伴って“左うちわ”だった時期もある。なぜ、そこから急速に弱体化したのか。

調査会社ディスプレイサーチの早瀬宏ディレクターは「小型液晶の平均価格は年率2~3割で下がり続けている。日本メーカーはこれに追随できなかった」と指摘する。05年から低価格を武器に台湾メーカーがシェアを拡大。それ以降、冬の時代が続いているのだ。

そんな中でのアップルからの強力な増産要請。これは日本の液晶産業復活の契機になるのかといえば、話はそれほど単純ではない。むしろ大きなリスクと隣り合わせだ。


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