iPhone6は有機EL? 不透明なIPS液晶特需、“アップル”の落とし穴


当初はほぼ全量が自社のギャラクシーシリーズに回るため、外販する余裕はほとんどない。そうした中でLGも有機ELの量産を目指している。

だが、「サムスンに追いつけ追い越せで、11年末にはシェア4割を握る」という見方と、「サムスンとの技術差は歴然で、量産化は不可能」との見方が相半ばしている。

当然、アップルも有機ELに注目している。関係者によると、アップルは今年発売予定の「アイフォーン5」まではIPS液晶を採用するものの、来年発売予定の「アイフォーン6」では有機ELを採用するべく検討しているようだ。

ディスプレーのコントラスト比がアイフォーン4の800対1に対してギャラクシーSは10万対1とケタ違い。消費電力も少なく、液晶を凌駕するさまざまな特性がある。アップルとしては、一刻も早く有機ELを採用したいのだ。

しかし、競合製品であるギャラクシーへの供給を優先するサムスンからの購入は難しいうえ、LGの量産化の実現性も不透明だ。そのため、アップルは今回の投資支援交渉の中で、シャープ、TMDに対して有機ELを生産するよう要請している。有機ELは低温ポリシリコンを技術基盤としており、これから投資をする液晶生産ラインからの転用も可能なためだ。

TMDやシャープには有機EL技術の蓄積はある。はたして、この要請を受け入れて量産へ取り組むのかどうか。アイサプライ・ジャパンの増田淳三ディスプレイディレクターは「小型有機EL市場はサムスンの独壇場。小型パネル市場全体が伸びていく中で、あえて有機EL量産のリスクを取る必要はあるのか」と懐疑的だ。

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