いかがでしょうか。この書籍をお読みいただくとわかるのですが、実は①消費税増税の2回目の引き上げを断念する時期が2014年のうちであったこと、②安倍政権の支持率が心配するほど急落しなかったこと、この2点については私の予想が外れてしまいました。しかし、大方の流れは書いたとおりになってきているようです。
なぜ「リフレ派」の見解は間違っているのか
実のところ、2014年4月の消費税増税を実施しなかったとしたら、4-6月期のGDPが確報値でマイナス7.1%(速報値はマイナス6.8%)という悪い数字にはならなかったでしょう。
しかし、ここで私が問題に思うのは、リフレ派の識者のなかには、4-6月期のGDPの結果を受けて、「アベノミクスは消費税増税のせいで失敗するかもしれない」と予防線を張る方々が増えて来ているということです。
彼らの言い分としては、個々のニュアンスの違いはあれ、「2013年度のGDP成長率はプラス2.3%を記録し、民主党政権下にあった2011年度のマイナス0.3%、2012年度のプラス0.7%に比べても大きく伸ばすことができた。消費税増税がなければ、2014年度も同じ程度のプラスを続けていたはずだ」というものです。
ところが、この見解が間違っているのは、消費税増税があったからこそ、駆け込み消費により2014年1-3月期はプラス6.0%という高い成長率を達成できたのであり、この1-3月期の高成長が2013年度の成長率をおよそ2倍強に引き上げているということです。
つまり、消費税増税がなかったら2013年度のプラス2.3%という成長は半分以下になっていた可能性が高いのです。
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