
(ユウスケ / PIXTA)
日本銀行の「2%の物価目標」の達成はいっこうにできず、金融緩和政策は長期化している。危機も繰り返され、出口は見通せない状態だ。
また、日本の財政も危機が繰り返されるたびに大規模な補正予算が組まれ、PB(プライマリーバランス、基礎的財政収支)黒字化も危うい。金融財政問題についても尋ねた。

Q. 日本銀行の金融政策とその他のオペレーションについての評価、出口政策含め中期で注目している点は?
動けない状況が続いている。世界経済がインフレ懸念を高めても、日本国内でインフレ圧力が高まる可能性は低く、むしろ景気悪化材料としてのみ取り扱われる状態だ。本来ならば追加緩和が取りざたされておかしくないはずだが、市場・金融機関への副作用に対する配慮とさらなる緩和の効果についての懐疑心が議論すら封じている感じがする。かといって、引き締めとなる正常化の議論もできるはずはなく、行き詰まり感が強い。少なくとも黒田総裁の任期中に本格的な政策変更は想定しづらい。
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