リモートワークによる「オフィス不要論」が頭をもたげて1年半。オフィスを縮小する企業が相次ぎ、ビルの空室が増えている。今後のオフィス需要はどうなるのか、オフィス仲介大手米CBRE日本法人(シービーアールイー)の坂口英治社長に聞いた。
──足元の市場動向は。
空室率は上昇傾向にあるが、2022年の年央には止まるとみている。実際、国内主要都市の賃貸オフィスビルの成約面積は、20年第3四半期(7〜9月)を底に上昇へと転じている。
コロナショックの特徴は、ビルオーナーが賃料を下げたりフリーレント(賃料を一定期間無料にする措置)を付与したりして、空室を埋めることを優先した点だ。都心の設備の整った「グレードA」のビルでさえ、コロナ禍前と比べて賃料を実質2割以上も引き下げて成約した事例がある。先行きの不透明感が強く、収益より安定を選んだのだろう。
──オフィスを拡張する企業が増えているのですか。
現時点ではオフィス縮小の相談が主流だ。ただし拡張を希望する企業の比率は徐々に高まっている。賃料下落を受けて、ハイグレードのビルを安い賃料で借りられるチャンスと捉え、積極的に拡張移転に動いた企業も少なくない。
コロナ禍の影響はエリアによって濃淡がある。空室増が顕著だった渋谷では、人材確保をにらんでオフィスを移転してくる企業が散見される。六本木など山手線が通っていないオフィス街についていえば、社名がカタカナの新興企業の人気は高いが、社名が漢字の伝統的な企業は通勤利便性の低さを懸念し及び腰だ。晴海など、交通利便性に劣り駅から距離がある東京湾岸部のビルも厳しい。
──都心以外のオフィスの動きは。
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