新型コロナウイルスワクチンの接種が進むにつれ、海外渡航への道筋が見え始めた。8月1日現在、ワクチンの2回接種を済ませた国民は約3700万人。7月26日には各自治体で海外渡航者向けの「新型コロナワクチン接種証明書」(ワクチンパスポート)の発給も始まっている。
とはいえ、東京など大都市で変異株による感染が拡大しているのと同様に、海外でも感染拡大の勢いは収まっていない。渡航先で隔離が必要な国はまだまだ多い。
日本でも、入国する際には国籍を問わず自主隔離や宿泊先指定の隔離が定期的な位置報告とともに義務づけられている。海外渡航でも面倒な手続きが必要だ。防疫措置が減免されるワクチンパスポートが使用可能な国は、イタリアやドイツなど欧州を中心に14カ国にとどまる。
航空や旅行の業界は、海外渡航の需要は今後増えるとみている。今年末に向けてじわじわと増え続け、本格的な回復は来年半ば以降という見方が支配的だ。
ただ、「少なくとも総選挙が予定される今年10月までは海外渡航は増えないだろう」と、航空・旅行アナリストの鳥海高太朗氏は指摘する。コロナの感染拡大は止まっておらず、秋になって減少する兆しが見えるかは不透明だ。
したがって、海外・国内での隔離義務といった防疫措置が緩和される可能性は低く、海外渡航へのインセンティブが高まることはないだろう。さらに、菅義偉政権の目玉政策だった「Go To キャンペーン」の再開も、現状が続けば総選挙が予定される秋までは実施されることはない。
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