昨年来の世界の金融市場は、米国の株式市場を中心に総じて好調だった。米S&P500指数で見ると、昨年はコロナ禍の急襲で3月にかけ暴落したが、ゼロ金利・量的緩和政策の復活や大規模な財政出動を受け急反発し、年間で16%の上昇。今年も年初来上昇率は8月9日時点で18%に及び、最高値更新が続いた。
ハイイールド(高利回り)債など、比較的リスクの高い資産も投資人気が高い。世界的な過剰流動性を背景に、リスクを取って収益を追求する「リスクオン」の状況が強まった結果だ。投機色の強い暗号資産や中小型IT関連株などは今春に急反落したが、昨年から見ればなお高水準。ネット投資家の集中的な買いで業績に関係なく株価が暴騰する「ミーム株」が続出するなどバブル色も強まった。
今後も来年にかけ、過剰流動性相場は基本的に変わらない。7月にはECB(欧州中央銀行)も日本銀行やFRB(米連邦準備制度理事会)に続いて物価2%目標の上振れを容認する姿勢を明確にしており、日米欧で緩和的な金融環境は維持される。各種リスク資産のバブルが膨張する余地は十分ある。
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