「コロナ後経済」の大難問 変異株に立ち向かう世界

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ワクチン接種で経済再開に沸く米欧中と、回復の鈍かった日本。そこへ変異型ウイルス「デルタ株」の猛威が襲っている。今年度下期以降の経済・社会・金融マーケットを展望する。

ワクチンとデルタ株、時間との戦い
世界経済再開の大試練

「足元のインフレは、リスクでなく、チャンスだ」(欧州中央銀行〈ECB〉関係者)

経済再開とともにドイツやスペインなど一部の加盟国で物価上昇率が2%以上になっているユーロ圏。ECBは7月、物価上昇率の一時的な2%超えを容認する新方針を打ち出し、金融緩和の維持を強調した。冒頭の関係者は、経済再開で熱を帯びる状況を、長年の低成長・低インフレ体質からの脱却につなげたいと言う。

しかし、そんなムードに冷や水を浴びせる状況が現出してきた。より感染力の強い新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の拡大だ。デルタ株の感染力(再生産数)は従来株の2倍弱と国内で推定されているが、最近では米疾病対策センター(CDC)が最大3倍弱との可能性を示した。7月以降、欧米や日本、東南アジアなどで感染が急拡大した主因とみられている。

ワクチン接種の進展でつかみかけた世界経済再開の機運は今後、どうなるのか。順を追って読み解いていこう。

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