東京五輪の日本選手金メダルラッシュによる熱狂とは裏腹に、首都圏などでの新型コロナウイルス感染爆発で、菅義偉首相への不信が拡大している。感染拡大が収まらなければ、9月末の菅首相の自民党総裁任期切れに向けて、早期退陣論が加速しかねない。世論調査でも菅首相は「秋まで」が半数以上で「続投」を大きく上回り、国民の間では、すでに賞味期限切れというのが実態だ。
その一方で、自民党内の権力闘争の構図では菅首相はなお続投モードだ。ポスト菅の有力候補不在に加え、政権打倒を目指す立憲民主党が支持率低迷から脱せず、次期衆院選での野党共闘も政権交代実現の段階には程遠い。このため、永田町政治からみれば菅首相の続投の可能性は「まだ十分残っている」(自民幹部)ことになる。
そこで注目されるのが、菅首相続投の可否にも直結する次期衆院選と総裁選の位置づけと順序だ。菅首相の最善シナリオは「衆院選先行で勝利、総裁無投票再選」(側近)とされるが、8月になっても収まらないコロナ感染拡大で、このシナリオは崩れつつある。
発令が延長・追加された6都府県への緊急事態宣言の期限は8月末。政府はワクチン接種拡大による感染抑制に望みをつなぐが、多くの感染症専門家は宣言再延長の必要性を指摘する。「コロナ対策が最優先」と繰り返す菅首相にとって、宣言再延長に追い込まれれば9月上中旬の衆院解散は「政治的に不可能」(自民長老)となる。総裁選は、党の総裁選管理委員会(野田毅委員長)が8月下旬に日程を決める。一部には「衆院選後に延期」との声もあるが、衆院選の時期の流動化を踏まえて、「9月17日告示・29日投開票」の日程が軸となりそうだ。
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