新型コロナウイルスの感染拡大と酷暑の中で、東京五輪は8月8日に幕を閉じた。
首都圏や北海道の会場は無観客で、チケット収入は激減した。五輪スポンサーは、最上位のワールドワイドパートナーからいちばん下のオフィシャルサポーターまで、4段階あるグレードで合計81社あるが、ほとんどの企業が五輪に関連する宣伝活動を見送った。大会組織委員会や協賛企業にとって、“持ち出し”ばかりの異例の大会だった。

五輪・パラリンピックの大会運営経費は昨年末時点で1兆6440億円。開催地立候補時点での8000億円の見込みから2倍に跳ね上がった。1兆6440億円のうち、組織委の予算が7060億円、東京都や国が全面的に負担する競技場の建設費や、輸送費、セキュリティー費などで都や国が負担する分で9380億円だ。
収支では、無観客開催が大きな打撃となる見込みだ。決算の詳細がわかるのはしばらく先になりそうだが、900億円のチケット収入は、「何十億円程度に激減」(組織委・武藤敏郎事務総長の7月の発言)し、組織委の赤字は避けられない。大会誘致時の立候補ファイルでは、組織委が赤字になってもIOC(国際オリンピック委員会)には負担義務がなく日本側で負担する。一義的には主催都市である東京都が負担する仕組みだ。
都が誘致に名乗りを上げたのは、財政の貯金に当たる財政調整基金が潤沢なことも背景にあった。少々赤字が出ても調整基金があるから大丈夫、というのが都の思惑だった。ところがコロナ禍の営業補償などでコロナ前に9000億円あった調整基金は2021年度末には2837億円になる見通し。都からすると、コロナ対策のためになるべく温存したいお金だ。
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