ウェブ翻訳の「黒子ベンチャー」36億円調達の底力 大企業が続々導入、多言語対応に圧倒的な強み

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大化けする「すごいベンチャー」はどこだ。毎年恒例、『週刊東洋経済』での最新100社の発表を前に、過去の「すごいベンチャー」選出後に急成長した企業のリポートや注目投資家のインタビューを随時掲載する。

Wovn Technologiesの多言語化サービスを使えば、ウェブサイトやアプリの多言語対応を簡単にできるようになる(提供:Wovn Technologies)

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日本企業のウェブサイトでも、今や日本語を話す日本人だけが読むとは限らない。企業の公式サイトやネット通販(EC)、旅行などの予約サイトからSaaS(Software as a Service)などの法人向けサービスまで、ユーザーは世界中にいる。サイトに限らず、スマートフォンアプリも同様だ。

ウェブサイトやアプリの多言語対応は多くの企業の課題だ。多言語化すれば各言語の検索結果にも表示されるため、ネット上での集客を増やせる。「グーグル翻訳を使えばいいんじゃないか」という声も聞こえてくるが、画面のデザインが崩れたり、正確な翻訳でなかったりすることも少なくない。

そんなサイトやアプリの多言語化作業を効率化するサービスを展開するベンチャーが、Wovn Technologies(ウォーブン・テクノロジーズ)だ。過去、『週刊東洋経済』2020年8月22日号「すごいベンチャー100 2020年版」でも紹介している同社が、7月28日、国内外の投資家からの約36億円という大型資金調達を発表した。

強みは「痒いところに手が届く」技術群

ウェブサイトに同社の提供する専用タグを埋め込むと、システムがサイト内を回遊し、登場単語集を自動で作成。機械翻訳や人による作業で対訳を作る。一度対訳が保存されると、サイト内の文脈に合った翻訳スタイルがどんどん学習されていく。

ECサイトのように日々商品ページが追加されても、日本語の元ページを更新すればその箇所を自動で検知し、すぐ翻訳対応をできるようにしている。単なる翻訳だけでなく、言語別に画像やリンク、デザインなども簡単に変えられるようなツールも提供する。

次ページ2年で売上高は約4倍
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