味の素も惚れた「植物肉ベンチャー」の差別化技術 メーカーや商社と続々提携、後発で躍進の理由

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国内ベンチャー企業の資金調達額は再び過去最高水準に。次なる「ユニコーン」候補があらゆる業界で生まれている。その中から厳選した各社を総力取材。金の卵探しを始めよう。

鶏肉風、豚肉風などに加工し、さまざまな料理に化けるDAIZの植物肉(写真:DAIZ)

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設立からわずか5年で味の素やニチレイフーズと資本業務提携を結ぶなど、大手メーカーから引っ張りだこの植物肉のベンチャー企業がある。熊本県に本社を置くDAIZ(ダイズ)だ。

植物肉とは、大豆などの穀物を原料とする”肉”に似せた食材のこと。DAIZでは社名のとおり、大豆を用いた植物肉を開発する。食物繊維が摂れることなどから健康志向に応えられるだけでなく、牛肉と比べ生産過程で出る温室効果ガスが少ないという点でも注目されている。このような理由から、アメリカやヨーロッパでは早くから市場が拡大してきた。

一方、日本国内での浸透はまだまだだ。東京五輪やインバウンド需要による外国人観光客のニーズを見据え、ここ数年でようやく植物肉の開発を加速する動きが出てきた。DAIZはその中でも後発。会社自体は2015年設立だが、植物肉の事業を開始したのは2020年1月だった。

アメリカ視察で市場拡大を確信

DAIZ創業者の井出剛社長は、熊本県で有機ベビーリーフの栽培・販売を行うベンチャー・果実堂を営んでいた。その中で大豆栽培を研究していた部門が独立し、分社化。これが現在のDAIZの前身である。

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