アベノミクス相場、どこまで賭け続けるべき? 「この道しかない」?安倍首相の基盤はもろい

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競馬にたとえれば、安倍騎手は、勝てるレースに出走することにして勝ったのは良かったのだが、弱いとはいえライバル馬に跨がる海江田騎手を落馬までさせて、乗り替わりに追い込んだことで、かえって次走以降のレースで、ライバル馬の鞍上を強化してしまったわけだ。まだ「実害」は表れていないとしても、支持率が下がった時に選挙を戦う場合、小さくないファクターだ。

アベノミクス号に毎レース「コロガシ」(前レースの払戻金を、全額次のレースに注ぎ込むこと)で賭けている向きは(株式や投資信託を買いっぱなしにしている人は)、こうした小さな読み違いにも敏感になっておくべきだと思う。
 政治的な要因が直ちに経済や株価に影響する可能性は目下小さいかも知れないが、相場にはそれなりに先を読むので、軽視しない方がいい。

官僚集団=調教師サークルは、官邸をどう見ているか

現状で、アベノミクス号はライバル馬よりも強いし、目下、騎手は調子に乗っている。しかし、競馬は、馬の力と騎手の腕だけで勝てるわけではない。馬を仕上げる調教師が実は重要だ。

日本経済を競馬に見立てた時、調教師に相当するのは官僚集団である。自分では手が出せないくせに、あれこれ注文を付ける馬主に相当するのは政治家だ。ちなみに、日本には、生産からレース毎の仕上げまで一貫してコントロールできる社台グループのような、強力な政治家集団は存在しない。

調教師は、馬主がお得意様であり、直接的には馬主に弱いが、集団としての調教師が馬主の言いなりであるかというとそうではない。霞ヶ関と永田町の関係もそうだ。政策の多くは調教師たる官僚集団によって作られ、動かされている。

霞ヶ関を調教師と見た時に、安倍騎手と彼を使う馬主である自民党はどう見えているのか。「官邸主導」や「公務員制度改革」を振りかざす安倍政権の官邸を、官僚集団は必ずしも好意的に見てはいないと筆者は考えている。

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