ベビーブーム世代、熱狂の後に残る不安

年金基金と医療制度を圧迫

しかし、バリエントス氏の関心は最年長世代の関心からかけ離れてはいない。米国の年長のベビーブーム世代の多くが引退して悠々自適の生活を送り、高齢者向け医療保険制度や社会保障制度、運用収益が非課税な制度の恩恵に浴している一方で、バリエントス氏はまだ働き盛りで引退後の生活を心配している。

バリエントス氏を含む最後のベビーブーム世代が引退する31年までには、10年に13%でしかなかった65歳以上の国民が米国人口の20%を超える。その結果、高齢者の依存人口比率(労働年齢人口に対する65歳以上の人口)が5分の1から3分の1に上昇する。国の年金基金と医療制度は強く圧迫されてしまう。

バリエントス氏は、「一定期間働いて貯金をし、仕事を辞める父の世代のようなわけにはいかない」と語る。代わりに「できることをして、歩み続けなければならない」と言う。

「先人たちの働きから恩恵を受けてきた」

バリエントス氏は、父親の世代と立場を代わりたいわけではない。「前の世代に比べて恵まれていた」と彼は言う。「同じ世代の年長の人たちと比べても、自由のために闘う必要はなかった。ベトナムに行く必要もなかった。先人たちの懸命な働きから恩恵を受けてきた」。

戦後のベビーブームの定義は国によって異なる。米国最後のベビーブーム世代だとのバリエントス氏の主張は、米国西海岸より2時間遅れのタイムゾーンに属する、米国最西の州であるハワイの位置に基づいている。

彼は本土の同世代の多くとはやや違う人生を送っている。「食べ物や言葉、季候など、ハワイは米国の他の地域とは異なる」と彼は言う。「初めてハワイを出たのは25歳のとき。メリーランドの友人を2週間の予定で訪問したが、とても気に入って、5年間も滞在してしまった」(バリエントス氏)。

おカネがあったら、夏を米国本土で、冬をハワイで過ごす「避寒移住者」になるだろう、とバリエントス氏は言う。大みそかを祝うため、家族が近所中と一緒にビーチに繰り出すとき、「年齢を心配している暇はないね」と語った。

週刊東洋経済2015年1月10日号

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